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■組み換え昆虫
EU:GM動物解禁へ影響評価ガイダンスを公表
EUは6月21日、遺伝子組み換え動物の商業的な販売解禁へ向けて、環境影響評価に関するガイダンスを公表し、意見募集を始めた。対象はGM動物(鳥獣、魚類、昆虫)全般。
現在のところ #遺伝子組み換え 動物の商業的な販売解禁を行っている国はないが、このEUのガイダンス公表により米国、日本などが続く可能性がある。Friends of the Earth Europeは7月4日、批判のコメントを公表した。
先ごろ公表された農水省の「家畜クローン研究の現状について」によれば、クローン牛は年間数頭に減少するも、食肉用の遺伝子組み換えの体細胞クローンブタが増加。後代も含めると7割強がGMクローンのブタ。いずれ商業販売が俎上に上がってくるだろう。
- Guidance on the environmental risk assessment of genetically modified animals EFSA Panel on Genetically Modified Organisms (GMO)(European Food Safety Authority (EFSA) 2012年6月)
- EU food authorities pave way for meat and milk from GM animals(Friends of the Earth Europe 2012年7月4日)
- 後代家畜について(2)体細胞クローン豚について (農水省 2012年6月29日)
マラリア原虫を殺すGM蚊
マラリアは蚊が媒介するが、マラリア原虫に対する抗体を遺伝子組み換えで産生させるGM蚊について米仏の研究者が発表。抗体によりマラリア原虫を死滅させると云う。ハマダラ蚊の一種に、マラリア原虫に対するマウスの抗体を遺伝子組み換えで組み込んだ。
マラリアは途上国を中心に世界で年間約3億人が感染し、75万人から80万人が死亡する。死亡者の約90%が5歳未満の幼児。WHO(世界保健機関)などが対策を取っている。アフリカに対して、住友化学がペルメトリン系農薬を含浸させた蚊帳オリセットを供給し、死亡率を減少させたとしている。この蚊帳はLLIN(長期残効型防虫剤含浸蚊帳)と呼ばれ、年間6千万枚が生産され、うち7割が無償で支給されている。この蚊帳については農薬暴露の点からNGOなどから批判が出ている。
- Transgenic Anopheles stephensi coexpressing single-chain antibodies resist Plasmodium falciparum development(PNAS 2012年6月7日)
- UCI scientists report creation of malaria-proof mosquito(Orange County Register 2012年6月12日)
- World Malaria Report 2011(WHO)
英国:GMで生殖不能のコナガを開発
各地で放出が問題となっている遺伝子組み換えの蚊を開発したOxitec社は6月11日、 遺伝子組み換えにより生殖不能のオスのコナガを開発したと発表した。こうしたGM昆虫は、生物多様性の点から問題が指摘されている。