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■果物

2015-02-

 米国農務省 非褐変GMリンゴの栽培規制を撤廃

 米国農務省動植物検疫局(APHIS)は2月13日、オカナガン社の切り口が褐色にならない非褐変遺伝子組み換えリンゴ2品種の栽培規制を撤廃したと発表した。FDAの食品としての承認が近いと見られている。

 オカナガン社の非褐変遺伝子組み換えリンゴの特徴は、切り口が褐色に変化しないというだけで、交雑を懸念するカナダのリンゴ農家を中心に反対の声が上がっている。米マクドナルドやベビーフードメーカーのガーバーは2013年、使用する計画はないことを明らかにしている。

 この承認によりオカナガン社は、非褐変遺伝子組み換えリンゴの苗木の販売が可能となるが、実際に市場にでるには3年から5年かかるという。オ社は日本の品種のフジも開発対象にしている模様で、日本もターゲットの可能性がある。輸入統計によれば、2012年からニュージーランド産のリンゴの輸入が急増し、年間2千トン前後が輸入されているが、これまでのところ米国、カナダからのリンゴ輸入はない。

 食品安全センターは13日、農務省の規制撤廃を受けて、非褐変遺伝子組み換えリンゴは、遺伝子を沈黙させるRNA干渉技術で開発され、健康懸念とともに耐病害性の低下から農薬の使用増大が予想される、とする声明を出した。

 この非褐変GMリンゴに反対してきたカナダバイオテクノロジー行動ネットワークは13日、カナダ当局は承認すべきでないとする声明を出した。ブリティッシュコロンビア州の果物生産者協会も当局に承認停止を要求している。

 米国農務省の栽培規制撤廃に、非褐変GMリンゴを開発したオカナガン社は13日、2016年には少量のこのGMリンゴをテスト的に市場に出すとの予想を明らかにした。