トップに戻る

有機農業ニュースクリップ 遺伝子組み換え関連情報|昆虫



 ※試行中です





■昆虫

2015-03-11

 マレーシア デング熱対策のGM蚊は効果なしと判断

 マレーシア保健省が2010年に実施した、オキシテック社の不妊化したGMネッタイシマカの放出試験の結果が思わしくなかったとして、以後の検討が見送られていたことがこのほど明らかになった。

 保健当局の包括的な研究では、GM蚊の放出が野生のネッタイシマカが駆逐されることにはならないとする結論になったとしている。

 マレーシアでは2010年12月21日に、6千匹のGM蚊と、比較用に非GMのネッタイシマカが試験放出された。このことは翌年1月下旬になり公表され、非難を浴びていた。

 また、保健省の当局者の話として、大規模なGM蚊放出試験を行ったブラジルが、オキシテック社のGM蚊プロジェクトを実施しないとしている。

 英国のNGO、ジーン・ウォッチのヘレン・ウォレス博士のシミュレーションによれば、2万匹のオスのネッタイシマカの抑制に、毎週280万匹のGM蚊の放出が必要だとしている。

 かんきつ類に寄生するミバエの根絶に、放射線照射による不妊化したミバエの放出事業を見れば、一度始めた放出は絶やすことができないという。その地域のミバエを根絶しても、周辺地域から絶えず流入する可能性があり、モニタリングと継続的な放出が不可欠だという。GM蚊によるデング熱ウイルスに感染した蚊の撲滅も、ミバエと同じように、継続的なモニタリングと放出が不可欠だろう。しかし、マレーシアの研究結果では、それ以前の問題のようだ。