最終更新日:2007年8月29日
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2007.08.29 No.489
■GMてん菜にゴーサイン 米国砂糖業界

 APは8月23日、米国のてん菜業界がモンサントの除草剤耐性の遺伝子組み換えてん菜の商業栽培に舵を切ったと報じている。これによれば、ミネソタ州のAmerican Crystal Sugar社は「バイテクが今の流れである」として、来年度より遺伝子組み換えてん菜の種子を供給するという。同社は3千人の組合員を擁するてん菜栽培農家による協同組合傘下にあり、栽培面積は50万エーカーに及ぶとしている。そして2008年、その50%に遺伝子組み換えてん菜の種子の供給が可能であるという。また、ワイオミング州のWyoming Sugar社では2007年、ラウンドアップ・レディ耐性のGMてん菜の栽培に踏み切ったという。

 遺伝子組み換えの種子は、1エーカー(約0.4ヘクタール)あたり60ドルのコストアップになるが、除草剤の散布は少なくなると見込まれているという。モンサント社は、砂糖業界の容認が、大豆やコーンのように遺伝子組み換えてん菜が広く栽培される最後のステップであるとしている。

 遺伝子組み換えてん菜は、すでに米国や日本では承認されている。それを原料とする砂糖は従来の砂糖と同等であり、組み換え遺伝子由来のDNAが破壊されるため遺伝子組み換え由来の表示は不要であるとしている。

 ・AP-Dow Jones, 2007-8-22

 2006年の貿易統計によれば、米国から糖類としては約7万7千トンが輸入されているが、てん菜糖単体の輸入はない。てん菜糖としては、フランスなどから数トンが輸入されているだけである。

 日本ではすでに、次の3種類の除草剤耐性の遺伝子組み換えてん菜が、食品としての安全性審査を終え、承認されている。

  1) T120-7
バイエルクロップサイエンス株式会社
  2) ラウンドアップ・レディー・テンサイ 77系統
日本モンサント株式会社
  3) ラウンドアップ・レディー・テンサイ H7-1系統
日本モンサント株式会社

 ・厚労省, 2007-8-23現在

 日本における遺伝子組み換えてん菜を原料とする砂糖の表示義務は不要とされている。現在、次の5種類の遺伝子組み換え作物を原料とする加工品について遺伝子組み換え原料使用の表示が不要とされている。てん菜糖については、APの記事の通り表示は不要とされている。

農産物 表示が不要な加工食品
大豆 しょう油、大豆油
とうもろこし コーンフレーク、水飴、水飴使用食品(ジャム類など)液糖、液糖使用食品(シロップなど)、デキストリン、デキストリン使用食品(スープ類など)、コーン油
菜種 菜種油
綿実 綿実油
てん菜 砂糖(てん菜を主な原材料とするもの)
 ・農水省:食品表示とJAS規格