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10月8日のインディアナ大学は、Btコーン(害虫抵抗性遺伝子組み換えトウモロコシ)の花粉が栽培地の近くの川のトビゲラの成育に影響を与えている可能性がある、という研究を公表した。この研究は、インディアナ大学のトッド・ロイヤー教授らのチームが、2005年と2006年にインディアナ州北部のBtコーン栽培地帯の12の川で調査した結果によるもので、米国科学アカデミー紀要にに発表されるまで詳細は明らかにされない。
この発表によれば、Btコーン栽培地帯を流れる川に仕掛けたトラップにより、Btコーンの花粉や葉や茎などの流入を確認し、ある種のトビゲラの内臓からBtコーンの花粉を見つかり、トビゲラがBtコーンの花粉をエサとしていることが明らかになったという。研究室内の実験では、Btコーンの葉を与えられたトビゲラの成長率が、非Btコーン残渣を与えられたトビゲラの半分以下であたっという。また、2倍から3倍のBtコーンの花粉にさらされた別の種のトビゲラでは、明らかに死亡率が増加したとしている。
この結果にロイヤー教授は、米環境保護局によるBtコーンの水生生物相への影響調査がDaphnia[ミジンコ類]に対してであり、Btコーンにより密接に関係している昆虫に対したものではなかったとし、Btコーンの広範囲にわたる栽培とそのリスクが完全には評価されなかったと思うという。また、トビゲラが魚類や両生類のエサであり、健全な生態系が機能するには、あらゆる部分が保護されなければならない、としている。
・Indiana University, 2007-10-81999年にコーネル大学の研究者により、Btコーンの花粉を散布したトウワタの葉を食べたオオカバマダラの幼虫が死亡したという研究がNatureに発表され、米国農務省は2年後に自然界での影響はないとの結論を出した。このとき、ロイヤー教授は、Btコーンの花粉や残渣などが川に流れ込み、影響を与えているのではないかと考え、今回の研究につながったのだという。
【参考】Btコーンとオオカバマダラの関連について・農業情報研究所(WAPIC), 2002-2-7 ・バイテクコミュニケーションハウス:バイテクQ&A集