最終更新日:2007年8月29日
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2007.08.29 No.489
2007.08.25 No.488
2007.08.24 No.487
2007.08.22 No.486
2007.08.19 No.485
2007.08.16 No.484
2007.08.14 No.483
2007.08.12 No.482
2007.08.06 No.481
2007.07.01 No.480
2007.06.26 No.479
2007.06.25 No.478
2007.06.24 No.477
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2007.06.03 No.467
2007年8月

2007.08.29 No.489
■GMてん菜にゴーサイン 米国砂糖業界

 APは8月23日、米国のてん菜業界がモンサントの除草剤耐性の遺伝子組み換えてん菜の商業栽培に舵を切ったと報じている。これによれば、ミネソタ州のAmerican Crystal Sugar社は「バイテクが今の流れである」として、来年度より遺伝子組み換えてん菜の種子を供給するという。同社は3千人の組合員を擁するてん菜栽培農家による協同組合傘下にあり、栽培面積は50万エーカーに及ぶとしている。そして2008年、その50%に遺伝子組み換えてん菜の種子の供給が可能であるという。また、ワイオミング州のWyoming Sugar社では2007年、ラウンドアップ・レディ耐性のGMてん菜の栽培に踏み切ったという。


2007.08.25 No.488
■したたかな小国キューバは“医療大国”

 『世界がキューバ医療を手本にするわけ』吉田 太郎著

『世界がキューバ医療を手本にするわけ』表紙

 マイケル・ムーアの新作『シッコ SiCKO』が8月25日、一般公開された。“医療先進国”であるはずの米国で、その先進医療を受けられなかった911の消防士らはキューバに向かい、無料で治療を受ける。なぜキューバなのか。キューバは“後進国”ではなかったのか。この疑問を解き明かした『世界がキューバ医療を手本にするわけ』がこのほど出版された。著者は、キューバの有機農業を日本に紹介してきた吉田太郎氏。キューバの情報に関する日本現状に、著者は「情報遮断」の状態にある。その点、英語やスペイン語のキューバ情報は豊富であり、キューバが自ら医療情報を発信しているという。なぜマイケル・ムーアはキューバを目指したのか。ひとつの回答がここにある。


2007.08.24 No.487
■米国を笑えない BSE特定危険部位(SRM)が焼肉店へ流出という疑惑

 8月24日の毎日新聞や中日新聞によれば、三重県四日市市の市食肉センターから特定危険部位(SRM)の牛のこめかみ肉が施設外に持ち出されているという疑惑が浮上したという。同食肉センターの買い付け業者が継続的にこめかみ肉を持ち出しているとの情報に、三重県などは8月3日より、立会い調査したが事実を確認できなかったとしている。この持ち出されたこめかみ肉一部が市内の焼肉店で提供されている、という情報も寄せられているという。


■GMとうもろこし2品種を急いで承認 厚労省

 厚労省は8月17日、遺伝子組み換えとうもろこし2品種について、食品としての安全性審査の手続きを終えたと公表した。これは8月8日の食品安全委員会の決定を受けたもの。特にMIR604についてシンジェンタ社は、日欧の承認を得ないまま、今シーズンの米国内での栽培に踏み切っていた。米国内には新たな混入摩擦を危惧する声も上がっていた。今回のMIR604 の承認は、こうした摩擦への対応として急いで行われたようだ。8月9日のロイターによれば、食品安全委員会の決定の後、厚労省の承認手続きとしては通常は1ヶ月程度かかる、と厚労省の担当者が語ったという。


2007.08.22 No.486
■前途多難か 教育ファーム推進へ中間整理

 農水省は8月20日、5月から3回にわたって開催された「教育ファーム推進研究会」による「中間論点整理」を公表し、意見募集を始めた。


■実用化への課題を列挙
 GM動物安全性評価に関する報告書

 厚労省は8月22日、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)による遺伝子組み換え動物由来食品の安全性評価に関する合同専門家会議の報告書の仮訳を公開した。この合同会議は、2007年2月26日から3月2日にかけてジュネーブ(スイス)のWHO本部で開催されたもの。出席した18名の専門家には、メイワン・ホー氏(ISIS:Institute of Science in Society)も含まれている。日本からは中央水産研究所・利用加工部・食品バイオテクノロジー研究室の山下氏が参加しているとしている。


2007.08.19 No.485
■白米は突然変異の赤米から選抜された

 8月16日のChronicle Onlineによれば、コーネル大学や国際稲研究所(フィリピン)などの研究グループはこのほど、現在の白米の97.9パーセントがジャポニカ種の一つの遺伝子の突然変異(DNAの欠損)に由来するとの研究結果をPLoS GENETICSに発表した。また、残る2.1%のインディカ米の白米からも同様の突然変異を見つけたという。この白米に関する2つの突然変異は野生の赤米からは見つからなかったとしている。


■ザンビアはGMを拒否 AGRAも一線を画す

 Science and Development Networkは8月3日、ザンビアの農業大臣はこのほど、「ザンビアは遺伝子組み換え作物のダンピングの場ではない、といつも言ってきた」と語ったと報じた。ISAAA(国際アグリバイオ事業団)など遺伝子組み換え作物推進の民間5団体は7月30日、ザンビアの新聞に遺伝子組み換え製品使用の共同声明を掲載していた。すでにザンビア国会は4月3日、ザンビア国内での遺伝子組み換え製品を未然に防止を目的とする生物安全議案を採択していた。


2007.08.16 No.484
■中国産有機大豆は有機なのか 疑う米国の農民

 米国のDes Moines Registerは8月15日、米国の有機農家と加工業者が中国産有機大豆の信頼性について疑念を持っていると報じている。米国は約7千万トンの大豆を生産(2007年度見込み)しているが、その多くが遺伝子組み換え品種となっている。その一方で、2007年には167億ドルと見込まれる米国内の旺盛なオーガニック需要の増大(前年比約20%増)により、有機大豆の米国内での調達が難しくなっている。有機大豆の不足分は中国などからの輸入に依存せざるをえないという。


■遺伝子組み換え動物に踏み込むコーデックス

 厚労省は8月16日、第7回コーデックス・バイオテクノロジー応用食品特別部会の議題や関連文書を公表した。この特別部会では、昨年11月開催の第6回会合で米国より提案された「微量に存在する組換えDNA植物の安全性評価」とともに、「組換えDNA動物由来食品の安全性評価の実施に関するガイドライン原案」が提案され審議される予定。従来は植物や菌類にとどまっていた遺伝子組み換え技術が、さらに動物の領域にまで踏み込むことに国際的な“合意”がとられることになる。


2007.08.14 No.483
■ダイオキシンに汚染されたグアーガム
 原料はインド産

 swissinfoは7月30日、スイス・Tages-Anzeiger紙の報道としてスイスの食品メーカーUnipektin社の製造したグアーガム(商品名「Vidocrem」)が、12〜156ピコグラムのダイオキシンとペンタクロロフェノール(PCP、殺菌剤、殺虫剤)で汚染されていたと報じた。この汚染は7月13日にドイツでの検査で見つかった。ダイオキシンのEUでの基準は、1グラムにつき1〜6ピコグラムである。


■食品から摂取するダイオキシン類は1.04pg-TEQ 2006年度

  厚労省は8月6日、2006年度のダイオキシン類の摂取量についての研究結果を公表した。これによれば、平均的な食生活の場合、食品から摂取するダイオキシン類の1日摂取量(推定)は、2006年度には体重1kgあたり平均約1.04pg-TEQであるとしている。この値は、耐容1日摂取量(TDI:人が一生涯にわたりその量を取り込んでも健康に対する有害な影響が現れないと判断される1日あたり、体重1kgあたりの量)の4pg-TEQより低く、ここ数年と同レベルであるとしている。


■ダイオキシン被害は終わらない
 9月に国際フォーラム開催

 ダイオキシン国際NGOフォーラム実行委員会とダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議は9月1日から2日間、「枯葉剤(ベトナム)、油症(台湾・カネミ)、そしてダイオキシン(セベソ)の今は!」と題してダイオキシンについての世界各国の被害者、研究者、NGOを集めての国際フォーラムを東京で開催する。このフォーラムでは、被害の実情や研究の現状、対策など6つのセッションが予定されている。


■“未承認GMトウモロコシの混入”を回避 MIR604承認へ

 食品安全委員会遺伝子組換え食品等専門調査会は8月8日付で、シンジェンタ社の害虫抵抗性遺伝子組み換えトウモロコシMIR604(Agrisure RW)について、飼料として「食品健康影響評価は必要なく、当該飼料を家畜が摂取することに係る畜産物の安全性上の問題はないものと判断」という「遺伝子組み換え食品等評価書」を決定した。翌9日開催された第202回食品安全委員会において、その決定を承認し農水省へ通知することとなった。


2007.08.12 No.482
■モンサントのGM特許に無効の決定 米国特許庁

 米国の Public Patent Foundation(公共特許基金、PUBPAT) は7月24日、モンサントの主要な4つの遺伝子組み換え特許に対して米国特許庁が全ての請求項目を無効とする決定を下したと発表した。これはPUBPATが2006年9月、米国特許庁に異議申し立てていたもの。PUBPATは、これらの特許が米国の農民に対する不当な特許料請求の根拠となり、モンサントは嫌がらせや脅迫、訴訟を行い、時には農民の自己破産を招いているとしている。


■遺伝子組み換え樹木開発へ検討会

 林野庁は8月9日、遺伝子組み換え樹木の技術展開についての検討会を開催すると公表した。この「森林・林業分野における遺伝子組換え技術の今後の展開方向に関する検討会」は8月21日に開かれ、傍聴が可能。同庁は、遺伝子組み換え樹木について「木質バイオマスの利用促進や地球温暖化防止対策、花粉発生源対策等において有効な手段」としている。


2007.08.06 No.481
■自家採種をテーマにたねとりくらぶの集い
 福井県池田町

 8月4日と5日の2日間、福井県池田町などを会場に「たねとりくらぶ」の集い(第9回全国種苗研修会)が、「タネ・農の原点に回帰、そして交流」をテーマに開催された。全国各地から130名が参加し、タネ採りの技術交流や自家採種のタネの交換会などが行われた。


■GM作物実用化へオールジャパンを提唱
 始めに結論ありき

 農林水産省農林水産技術会議は8月1日、「遺伝子組換え農作物等の研究開発の進め方に関する検討会」の中間とりまとめを公表した。この検討会は5月22日より6回の会合を開き、研究機関、バイオ企業などからのヒヤリングを重ねて中間とりまとめを決定した。この検討会が、日本における遺伝子組み換え作物の商業栽培を目的としているため、最初から遺伝子組み換え作物の開発中止という選択肢は用意されていないし、消費者の側からのヒヤリングが全くない片手落ちの検討会である。