最終更新日:2007年1月31日
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2007.1.31 No.416
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2007.1.29 No.414
2007.1.27 No.413
2007.1.26 No.412
2007.1.25 No.411
2007.1.24 No.410
2007.1.22 No.409
2007.1.19 No.408
2007.1.18 No.407
2007.1.17 No.406
2007.1.15 No.405
2007.1.12 No.404
2007.1.10 No.403
2007.1.5 No.402
2007.1.4 No.401
2007.1.3 No.400
2007.1.1 No.399
最新の農と食
2007年1月の農と食

2007.1.31 No.416

■モチ性小麦の新品種「もち姫」 東北農業研究センターが開発
 東北農業研究センターは1月29日、寒冷地向けのモチ性小麦「もち姫」の発表試食会を開いた。同センターは1995年、世界初のモチ性小麦「はつもち」を開発したが、寒雪害に弱くて収量が少ないなどの欠点があった。今回の「もち姫」は、東北地方でも栽培可能で、多収量(545Kg/10a)などの特徴を持つ新品種として開発され、昨年12月には品種登録されている。


■中国は遺伝子組み換え米に注力するのか?
 1月29日のロイターは、中国の次のバイオテクノロジーの次の主要な研究対象が遺伝子組み換え米であると報じている。中国の遺伝子組み換え作物についての記事で、中国科学アカデミーのJikun Huang氏の発言として「中国は20億元の予算をさらに増やす計画があり、それは主として遺伝子組み換え米に使われるだろう」としている。


■「乳ミュージック」という“新分野”
 ニューミュージックならぬ「乳ミュージック」という“新分野”があるらしい。曲調はサンバもあれば演歌もあるが、メインテーマは「ウシ」と「牛乳」。作詞・作曲は「ミルク親父」氏。本業は、埼玉県深谷市の酪農家らしい。聞くところによれば、朝の搾乳のときに頭に浮かんだものを曲にしているとか。まぁ、笑ってしまうし、なぜかほっとする曲である。次のサイトで「ミルクソング」など4曲を聞くことができる。暇なときにでもどうぞ。
  >> http://kids.j-milk.jp/game/milkgame/


2007.1.30 No.415

■中国産GM汚染米 味の素など5社製品回収へ
 1月30日の朝日新聞などによれば、中国産GM米の混入したビーフンを輸入した森井食品は1月30日、問題の中国産ビーフンを使用した製品を自主回収すると発表した。また丸美屋など4社も1月30日、中国産GM汚染米を原料としたビーフンを使用した製品の回収を発表した。グリコを除く味の素、丸美屋、加藤産業の3社は、いずれも「現時点で遺伝子組み換え米が混入している可能性を否定できない」からだとしている。


■遺伝子組み換え作物4品種を承認へ
 農水省は1月30日、遺伝子組換え作物4品種の第1種使用規定について意見募集を始めた。いずれも「食用又は飼料用に供するための使用、栽培、加工、保管、運搬及び廃棄並びにこれらに付随する行為」(ダイズは「栽培」を除く)としている。締め切りは3月1日。


■インド企業がフィリピン農民と連携 雑穀からバイオエタノール生産
 1月29日のフィリピン通信によれば、インドの醸造企業がフィリピンの小農民と連携しバイオエタノールの生産に乗り出すという。平均2.1ヘクタールの農地を持つ1万5千軒の農家が各々1ヘクタールでスウィート・ソルガムを生産。それを原料に農民所有のエタノールプラントでエタノールに加工するというもの。1日当たり4万リットルのエタノールが生産可能としている。


2007.1.29 No.414

■高畠町遺伝子組換え作物栽培禁止条例 提案されず
 山形新聞は昨年11月13日、山形県高畠町が遺伝子組み換え作物栽培禁止条例を12月議会に提出すると報じた。しかし、同町の「議会だより」などによれば、禁止条例は提出されていないことが明らかになった。


2007.1.27 No.413

■輸入中国産ビーフンなどにGM汚染
 厚労省は1月26日、中国産のビーフンともち米粉から未承認の遺伝子組み換え米の混入が確認されたと発表した。これは、昨年10月から12月にかけて中国から輸入されたビーフン23トン(神戸港)と、もち米粉540トン(四日市港)から害虫抵抗性の組み換え遺伝子が検出されたというもの。


2007.1.26 No.412

■遺伝子組み換えでリンを吸収 将来はリン資源化を目指す
 サントリーは1月25日、遺伝子組み換えでリンの吸収能力を高めた“水質浄化植物”の開発に成功したと発表した。この植物は、シロイヌナズナのリンの吸収・蓄積に関係する遺伝子をトレニアに組み込み、リンを高濃度に吸収・蓄積することを可能にしたという。この組み換えトレニアを水上栽培することで、河川などの水質汚染の原因物質のひとつであるリンを効率よく吸収し浄化できるとしている。同社では、トレニアが植物であることからそのまま「肥料」として利用でき、さらに吸収効率を上げリン鉱石の代替までを視野に入れ実用化を目指すとしている。


2007.1.25 No.411

■遺伝子組み換えギンドロ 説明会を開催 2月3日
 (独)林木育種センターは1月23日、意見募集の始まった遺伝子組み換えギンドロの隔離圃場での栽培に関する説明会を2月3日に開催すると発表した。場所は茨城県日立市の同センター。メールなどで事前に申込みが必要。発表では「遺伝子組み換えポプラ」という名称を使っている。
  日 時:2月3日(土) 10時30分〜12時
  場 所:(独)林木育種センター 大会議室
        茨城県日立市十王町伊師3809−1


2007.1.24 No.410

■遺伝子組み換え樹木はパルプ原料を想定 熱帯雨林開発も?
 農試祥と環境省は1月23日、(独)林木育種センターの申請した隔離圃場での遺伝子組み換えギンドロ2品種の栽培について意見募集を始めた。締め切りは2月22日。今回の申請では、茨城県日立市にある(独)林木育種センターの隔離圃場で2012年12月までの5年間栽培される予定。ギンドロ(銀泥)は、中央アジアなどが原産でヤナギ科の植物で、国内では街路樹などに使われている。
 この遺伝子組み換えギンドロは、コウジカビの遺伝子が組み込まれ、パルプ原料として適しているとしている。類似した遺伝子組換え樹木の開発プロジェクトがインドネシアでも行われている。パルプ原料として有用であれば、製紙会社による新たな熱帯雨林の破壊と組み換え樹木による単一林化をもたらす可能性を含んでいる。


■バイオエタノールへシフトの中国 原料用キャッサバ輸入を増やす
 中国ではバイオエタノール原料としてトウモロコシの需要増大に伴う食用油などの高騰がおきている。中国政府は、トウモロコシによるバイオエタノールプロジェクトにストップをかけた。2005年、中国では2300万トンのトウモロコシが工業用に加工され、生産量は2001年から84%の伸びているが、生産は22%しか増加していない。トウモロコシ価格は2006年に6.8%上昇し、小麦や米の栽培圧迫への懸念すら出始めている。
 その一方で、バイオエタノール需要の増大に伴い、原料用のキャッサバの輸入量が増大している。タピオカなどに加工されるキャッサバは、ブラジルやアフリカでの主要な食料のひとつでもある。


2007.1.22 No.409

■GMトウモロコシ許可を求めるメキシコ農業団体
 年間2千万トンのトウモロコシを生産するメキシコでは今、トウモロコシ価格の急騰により農業団体が遺伝子組み換えトウモロコシの作付け許可を要求する事態になっているという。メキシコではトウモロコシ粉を薄く焼いたトルティーヤを主食としているが、この価格がこの6年で70%上昇。2006年には11%上がり、キロ当たり10ペソ(約110円)にまでなったという。メキシコ政府は12月、65万トンのトウモロコシ輸入を許可した。こうした中、メキシコ農業団体の一つCNAは、遺伝子組み換えトウモロコシの作付け許可を政府に求めている。今回のトウモロコシ価格の急騰は、米国のバイオエタノール生産増強に伴うトウモロコシ価格の急騰が原因だという。
 グリーンピースは、この「トルティーヤ危機」がメキシコ政府のGM許可の口実に使われようとしていると警告し、許可により利益を得るのはモンサントなどの種苗会社だとしている。メキシコは、トウモロコシの原産地でもある。


2007.1.19 No.408

■GM作物栽培面積の増加を自画自賛 推進団体報告
 国際的なバイオテクノロジー推進団体ISAAA(International Service for the Acquisition of Agri-Biotech Applications)は1月18日、世界の遺伝子組み換え作物栽培に関する年次報告を公表した。この中で、2006年には世界で1億200万ヘクタールの農地でGM作物が栽培され、1千万人以上の農民が従事したと分析している。次の10年間に遺伝子組み換え作物の栽培は加速度的に増加し、2015年には40カ国、2億ヘクタール、2千万人規模になると予測している。この報告は、米国のワタ農家で問題となっているスーパー雑草の増加も、世界的に問題となっているGM米汚染も触れることなく、自画自賛、バラ色の分析である。
 この発表の数時間前、グリーンピースは遺伝子組み換え作物の10年は「農民と消費者の反対が引き続く10年」であるとするプレスリリースを発表した。この中で、IASSSは栽培面積の増加はバイオテクノロジーの勝利だと主張するかもしれないが、違法な遺伝子組み換え米汚染やインドにおける農民のGM反対運動の高まりは、そうしたバラ色の分析とは裏腹な現実であると反論している。インドでは農民組合が、モンサント関連会社のGMイネの秘密野外試験圃場を焼き払っている。


■米スターバックス GM成長ホルモン(rBGH)牛乳をやめる
 1月16日のロイターによれば、米国スターバックスは、全社でモンサント社の遺伝子組換え牛成長ホルモン(rBGH)を使用した牛乳の使用を全面的にやめると発表した。rBGHをめぐって米国食品医薬品局(FDA)は「安全」との判断を示しているが、乳がんとの関連が指摘されたり多胎児の原因を疑う研究もある。rBGHはカナダやEUでは使用禁止である。


2007.1.18 No.407

■PETボトルの牛乳容器を容認へ 食品安全委員会
 食品安全委員会は1月18日、PETボトル(ポリエチレンテレフタレート)を牛乳容器として認める食品健康影響評価(案)を発表し、意見募集を始めた。締め切りは2月16日。


2007.1.17 No.406

■六条オオムギは二条オオムギから進化
 農業生物資源研究所は1月17日、六条オオムギは二条オオムギから進化したという遺伝子レベルでの研究結果を公表した。


■米国産牛肉 全箱検査は見直しか
 厚労省は1月15日、東京都内で開催されたBSE対策などに関する消費者や事業者との意見交換会で、米国産牛肉について「(輸入状況などの)検証結果を踏まえ、必要なものと必要でないものを整理する」とし、輸入時の全箱検査態勢などの見直しを示唆した。


■廃木材利用のバイオエタノールプラント キーは遺伝子組み換え発酵菌
 バイオエタノール・ジャパン・関西(株)は1月16日、大阪府堺市に建設していた廃木材を原料とするバイオエタノールプラントの開所式を行った。このプラントは、廃木材や剪定屑などを原料としてエタノール発酵菌により生ずるエタノールを濃縮・蒸留し、ガソリンに添加しようというものである。バイオエタノールの原料は、ブラジルのサトウキビや米国のトウモロコシなどがほとんどで、同社のサイトによれば、木材を原料とするのは世界でも始めてであり「純国産エネルギー」を謳っている。この点、共同通信によれば、キー技術は米国より導入した遺伝子組み換え発酵菌にあるようだ。


2007.1.15 No.405

■GMニワトリで抗がん剤を安価・大量に生産
 1月14日のBBCなどによれば、英国ロスリン研究所がヒトの遺伝子を組み込んだGMニワトリを使い、抗がん剤やインターフェロンを含む卵を生ませることに成功し、高価な薬を安価に生産する可能性があると報じた。従来こうしたGMニワトリでは、組み込んだ機能は1、2世代で消滅していたが、このGMニワトリは5世代にわたり継続的に生産しているという。
 同研究所は、ヒトによる治験にはさらに5年、薬として完成させるには10年かかるとし、楽観してはいない。このロスリン研究所は、世界初のクローン羊のドリーを誕生させている。


■食品安全委員会、米国のBSE監視計画を容認
 食品安全委員会は1月11日、米国のBSEサーベイランス計画の縮小について容認する答申を厚労省と農水省に提出した。この「米国BSEサーベイランス見直しに対する見解」では、米国のサーベイランス体制の縮小に疑念はあるものの、米国のBSE発生推定値「100万頭に1頭」は、同委員会プリオン専門委員会による推定値とほぼ同じであるから問題はないというもの。その根拠は示されていない。


2007.1.12 No.404

■知的財産権強化が奪う「種子主権」
 「知的財産権の強化」の名の下、新品種の育成者の権利を守るという名目で、これまで認めれてきた自家増殖への制限が厳しくなってきている。2007年8月からは、登録品種という限定はあるものの、野菜の一部4品目への自家増殖が制限される。国際条約であるUPOV(植物の新品種の保護に関する国際条約)では、自家増殖は「原則禁止」とされている。農水省は昨年12月19日、「植物新品種の保護の強化及び活用の促進に関する検討会報告」をまとめ、更なる強化を打ち出している。


2007.1.10 No.403

■カビ毒を解毒するGMトウモロコシを開発 理研
 理化学研究所は1月10日、世界初となるカビ毒を解毒する遺伝子を組み込んだトウモロコシを開発したと発表した。この発表によれば、トウモロコシなどにつくアカカビ(フザリウム グラミネアルム)がつくるカビ毒(ゼアラレノン)は、環境ホルモンとして働き、家畜の死産や流産を引き起こしているが、このアカカビと拮抗する別種のカビの持つゼアラレノンを分解する酵素遺伝子をトウモロコシに組み込み固定化したという。自然の500倍のゼアラレノンで汚染させたところ、種子の胚、胚乳、表皮いずれの部分でも飛躍的にカビ毒が低減化された。収穫後のトウモロコシ種子にアカカビを接種したところ、従来のトウモロコシではカビ毒が検出されるのに対し、今回開発の組み換えトウモロコシからは全く毒素が検出されなかったとしている。今後は、この組み換えトウモロコシを圃場で栽培し、ブタに給餌しての試験を行うとしている。


■2006年はGMによくない年 地球の友年次報告
 Freind of The Earthは1月8日、「誰がGM作物から利益を得ているのか」と題する遺伝子組み換え作物に関する年次報告を発表した。この中で、遺伝子組み換え作物を70%以上大規模に栽培している国は、まだ米国とアルゼンチンの2カ国にとどまっているとしている。
 「遺伝子組み換え作物は飢餓を救う」という宣伝があるが、ナイジェリアのFriends of the Earth Africaの Nnimmo Basseyは、「今日のGM作物は、世界のどこでも飢餓を救うことなく、豊かな国の消費される肉を作るための飼料として使われている」と語った。またレポート、現在商業化されているGM作物は、農薬使用を増加させ、環境には有益でもなく、長期的には使えないものになるだろう、としている。そして2006年を振り返り、GM作物に悪い年であったと総括している。


2007.1.5 No.402

■知的財産保護強化で「聖護院ダイコン」も使えないことに?
 特許などの知的財産権の保護強化が図られている中、種苗法でも登録品種の自家増殖が2007年8月1日からより制限されることになっている。適用されるほとんどが花卉類で、野菜はヤーコンなど4種類で、あまり影響が無いようにも見える。  自家増殖規制のもう一方で、「地域団体商標制度」による在来種、固定種の名称使用が制限されようとしている。この制度は「地域ブランド」の方が名が通っている。従来の商標法の保護の対象外であった地域の特産品に、その産地の地域名をつけるなどの地域名と商品名からなる商標が、商標法の改正により2006年4月から認められるようになった。これにより、2006年10月には600件以上の出願があり、12月には100件の地域ブランドが認められた。この中には農産物も登録されている。  現在申請中の地域ブランドには、次のような「聖護院大根」や「九条ネギ」など一般化した品種も含まれている。こうした品種名にまで地域ブランドとして登録商標が認められた場合、他の地域の生産者などは「九条ねぎ」などは使用できず、使えば権利侵害となる。


■米国 カナダ産牛肉の輸入緩和 30ヶ月齢以上も認める
 米国農務省動植物衛生検査部(APHIS:Animal and Plant Health Inspec-tion Service)は1月4日、カナダを「BSEリスク最小国」と認定し30ヶ月齢以上の牛の輸入に道を開く輸入条件の緩和(案)を発表した。この条件緩和(案)は3月12日まで意見簿集を行い、その後正式に実施されることになる。
 この発表によれば、米国は国際的なガイドラインに沿った科学的な分析によりカナダをBSEリスク最小国と認めたとしている。その上で、30ヶ月齢以下という国際的な規制レベルにかかわらず1999年3月1日以降に生まれた生きている牛、あるいはそうした牛の肉製品、牛由来の血液と血液製剤、牛の小腸とケーシングの輸入を認めるように提案している。


2007.1.4 No.401

■有機固定種・たねの森 2007年春蒔きカタログ
 有機固定種の種子を扱っている「たねの森」はこのほど、春蒔き種子のカタログを公開した。扱いは合計80種類。バイオダイナミック農法で栽培・採種された種子 も扱っている。


■進む温暖化 今年の平気気温は史上最高 英国気象庁見込み
 英国気象庁は1月3日、2007年の平均気温は観測史上最高になると発表。2007年は、1961〜90年の平均気温である14.0度を0.54度上回る見通しという。
 記録的な旱魃に直面しているオーストラリアでは、同国気象局が1月3日、オーストラリアは世界の他の地域より速いスピードで地球温暖化の影響を受けている、と年次報告書で発表した。この発表によれば、国土の半分が水不足に苦しむ一方、もう半分の地域では全土の年間降水量に匹敵する降雨があったとしている。この原因は、「これらが地球温暖化加速による影響だということは、ほとんどの専門家の一致した見解」だと気象局の担当者は語ったという。
 米海洋大気局(NOAA)の研究では、北極周辺の北大西洋などの海水中の塩分が、20世紀後半の50年足らずの間に約0.2%減っているという。北大西洋海域では、地球規模の海水循環(熱塩循環)で沈み込みが起きていて、「塩分濃度低下は、循環の乱れを引き起こして気候に影響を及ぼす恐れもある」と専門家はみているという。この沈み込みは、温かい表層水の北向きの流れ(メキシコ湾流)を作り出し、欧州を温暖にしている。専門家は、「計算機による数値実験では、0.5グラム分の濃度低下で熱塩循環が半減する。0.1グラムでも、影響が出ている可能性はある」と指摘しているという。塩分濃度低下の原因としては、地球温暖化により、極に近い地域の降雨量が増えたり、グリーンランドなど陸上の氷が解けたりしているからだとしている。


■温暖化否定派に巨額の資金提供 非難されるエクソン
 米国の「憂慮する科学者同盟」(UCS:Union of Concerned Scientists)は1月3日、石油メジャーのエクソンモービルが、化石燃料の使用が地球温暖化の原因だとする説に反対する団体に約1600万ドル(約19億円)の資金提供をしていたとするレポートを発表した。この中でUCSは、こうしたやり方は、かつてタバコ産業が「タバコ肺がん原因説」の否定に使った手法であり、偽情報キャンペーンで混乱を招いていると批判している。エクソンは1998年から2005年までに43の反対派組織に約1600万ドルの資金を注ぎ込んだとしている。また同社は、議論の余地のない科学的な証拠にさえ不確かだと扱ったり、温暖化に関する米国政府の政策と政府内部の連絡を妨害するようにブッシュ政権に近づいた、と非難されている。


2007.1.3 No.400

■プリオン・フリー牛は「GM牛」
  12月31日に発表されたプリオン・フリー牛について1月2日のArgusLeader.comによれば、この牛を開発したHematech社のRobl社長は、このプリオン・フリー技術をBSEフリーの肉牛開発に使う予定はない、と断言している。同社は年間20億円以上の開発費を投入してきたという。そして、この牛をヒト抗体の生産に用いるとしている。
 その一方で、バイテク業界には、この技術をBSEフリー牛へ活用しようという期待感もある。折りしも12月28日に米国食品医薬品局(FDA)は、クローン動物は従来の家畜と同等であり安全である、という暫定報告書案を公表し、その実用化へ踏み出している。


■米国有機酪農家はクローンの実用化に反対 FDAへ意見をと呼びかけ
 米国で最大の有機酪農農協であるOrganic Valleyは12月29日、米国食品医薬品局(FDA)によるクローン食用化に対して反対の意見を提出するように消費者に呼びかけていると。Organic Valleyの理事長George Siemonは、「クローンは、諸費者のための食品を作りはしない。それは、拝金主義と特許を目的としている。クローンの本当の問題は、それが誰の利益になるかということだ。消費者なのか、農民なのか、動物なのか。種子の場合とよく似ているが、利益第一の企業に特許権を与えるというクローンに対する許可には、多くの未知のリスクがあり、農民と食料供給の未来に対する損失の原因になる」と警告している。


2007.1.1 No.399

■体細胞クローンでプリオン・フリー牛を開発 ヒト抗体を生産
 12月31日の米国農務省の発表や1月1日の朝日新聞によれば、米国農務省やキリンビールの関連会社などの日米の研究グループは体細胞クローン技術により、プリオンタンパク質を持たない(プリオン・フリー)の牛を開発し、20ヶ月以上正常に成長したと発表した。
 このプリオン・フリー牛は、体細胞クローン技術により、核を抜いた牛の受精卵にプリオン遺伝子の機能を失わせた牛の繊維芽細胞の核を移植し、これを雌牛の子宮内に戻して出産させ、05年2月に12頭生まれたという。このプリオン・フリー牛の脳の抽出液に異常プリオンを加えても、その増加や蓄積は起こらなかった。研究チームは現在、この牛に異常プリオンを直接、接種した実験を進めているという。  英国タイムズ紙は1月1日、この研究を評してBSEフリーの牛であったとしてもGM家畜を食べるということに対する消費者の懸念に勝つ必要がある、としている。現実的な選択としては、この牛による血清製造免疫グロブリンのような医療用のタンパク質生産でBSEを引き起こす危険を排除できるとしている。
 12月31日のBloombergによれば、このプリオン・フリー牛を開発したキリンの関連会社社長の話では、同社はこの牛を利用してヒト抗体を生産しようとしているようだ。また、この牛の脳に直接異常プリオンを接種する研究が完了した後、BSEに対する免疫の有無について最終的に判断するという。米国農務省の発表では、少なくとも3年かかるだろうという。