最終更新日:2007年9月28日
最新の農と食
2007年9月の農と食

2007.9.28 No.492
■バイエルのGMナタネで1500ヘクタールが汚染
 9月18日のCoalition against Bayer Dangers の発表によれば、バイエル・クロップサイエンス社の遺伝子組み換えナタネにより1500ヘクタールの汚染が明らかになったという。この汚染は、バイエル社の除草剤グルフォシネート耐性のGMナタネが在来品種の種に混入していたもので、どのような経路で汚染されたかはわかっていないという。
 ドイツ政府環境当局は、この汚染された菜種を早急に廃棄すると決定したが、この汚染が、数年間にわたって発見されなかった可能性があり、影響は広範囲に及ぶことがありえるという。米国では2006年8月、バイエル社の遺伝子組み換えの米によるGM汚染が発覚している。
 ・Coalition against Bayer Dangers, 2007-9-18
■BSE全頭検査終了へ圧力
   しぶしぶ通達を公表した厚労省
 厚労省は9月14日、2008年8月以降、20ヶ月齢以下のBSE検査に対する国庫補助の打ち切りに関する通達を公表した。この通達は、8月31日付けで都道府県などに宛てて出されたもので、全頭検査の国庫補助は「当初予定どおり、平成20年7月末までに行う検査を対象」とし、さらに「全地方自治体において20ヶ月齢以下の牛に対するBSE検査が平成20年7月末をもって一斉に終了することが重要であります」と述べている。都道府県が足並みをそろえて全頭検査を終了するようにと“圧力”をかけたもので、9月11日に新聞で報道され、14日になって公表した。
 ・厚労省, 2007-8-31(2007-9-14公表)

 このような通達の一方、朝日新聞などによれば次の10県が全頭検査を継続するとしている。
 神奈川、兵庫、和歌山、徳島、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄


2007.9.24 No.491
■都道府県有機農業推進計画 年度内策定は3割 未定は4割
 農水省はこのほど、都道府県段階での有機農業推進計画の策定状況を公表した。これによれば、4割の19府県が未定としている。その一方で、3割の14道県は今年度内に策定するとしている。
 ・年度内策定:14
   岡山,青森,新潟,北海道,岩手,富山,愛知,兵庫,和歌山,鳥取,島根,山口,高知,愛媛
 ・20年度策定:4
   東京,奈良,香川,三重
 ・20年度以降:10
   山梨,宮城,秋田,山形,茨城,栃木,千葉,長野,静岡,福井
 ・未定:19
   福島,群馬,埼玉,神奈川,石川,岐阜,滋賀,京都,大阪,広島,徳島,福岡,佐賀,長崎,熊本,大分,宮崎,鹿児島,沖縄
 この中で岡山県は早々と7月2日に推進計画を策定したとしている。この岡山県の推進計画は、2001年3月に策定された「岡山県有機無農薬農業推進要綱」を一部改正し、県の推進計画としている。有機農業推進法も国の基本方針も、有機農業の要件として有機JAS認証にはまったく触れておらず、認証の有無が有機生産者の条件とはされていない。基本方針では「有機農業者」を「有機農業に取り組む農業者」と述べているに過ぎない。そして国や地方公共団体は、「有機農業者」に有機JAS法などの活用を積極的に働きかける、としているだけである。しかし、この岡山県の要綱では有機JAS認証が前提であり、非認証有機生産者は明らかに除外されている。有機JASと有機農業推進法の“矛盾”が早くも露呈したといわざるを得ない。今後策定される他の都道府県の推進計画が、岡山県のような非認証生産者の切捨てとなってはならない。
 ・岡山県農林水産部, 2007-7-2

■本邦初!“快挙”か 国際有機農業映画祭を開催
国際有機農業映画祭2007 ポスター
 本邦初の“快挙”か“無謀な試み”か、この11月24日に「国際有機農業映画祭2007」が東京で開催される。昨年12月、日本では画期的な有機農業推進法が制定されたとはいえ、まだまだ有機農業に対する認知度は低く、有機農産物の流通に占める割合は慣行農産物の1%以下といわれている。こうした現状に、広く有機農業を知ってもらい有機農業の推進拡大の一助にと、内外のドキュメンタリー14本を上映する映画祭が企画された。この中でも『農薬禍』(1967年/日本)は、長野県佐久地方の農薬被害に奔走する佐久病院の医師を追った作品。農薬を使わざるを得ない農民が、一番の農薬被害者でもあることを如実に示している。消費者のエゴも浮かび上がる。映画祭の主催は国際有機農業映画祭実行委員会。
 ●上映作品
・食の未来(2004年/米)
・自然農−川口由一の世界(1997年/日本)
・農民ジョンの真実(2005年/米)
・石おじさんの蓮池(2005年/台湾)
・根の国(1981年/日本)
・種子をまもれ!(1994年/インド)
・危険なオレンジ(2005年/タイ)
・あぶない野菜(2002年/日本)
・死の季節よ、さらば(2006年/フィリピン)
・サルー!ハバナ(2006年/日本)
・農薬禍(1967年/日本)
・日本の公害経験 農薬その光と影(2007年/日本)
・懐かしい未来:ラダックから学ぶこと(1992年/英国)
・地域から始まる未来:グローバル経済を超えて(1998年/英国)
 会  場:明治大学リバティタワー
       第1会場:1021教室(2F)
       第2会場:1087教室(8F)
 期  日:2007年11月24日(土)
 開催時間:9:30〜20:30(9:10開場)
 入 場 料:前売2000円 当日2500円
(学生は前売・当日ともに2000円)
       ※詳しくは公式サイトへ
 主  催:国際有機農業映画祭実行委員会
 後  援:有機農業推進議員連盟 キューバ大使館  学校法人・アジア学院 明治学院大学国際平和研究所 反農薬東京グループ
 協  賛:(9月23日現在)
株式会社オルター・トレード・ジャパン/日本ネグロスキャンペーン委員会 日本有機農業研究会 恒志会 秀明自然農法ネットワーク ネットワーク農縁・東京 市民セクター政策機構 日本国際ボランティアセンター ポケットファームどきどき アジア農民交流センター 地球的課題の実験村 (株)ななくさの郷 松田マヨネーズ 全日本農民組合連合会 日刊ベリタ POFA関東 全国有機農業団体協議会 日本消費者連盟 聖コロンバン会 (社)農山漁村文化協会 全日本農民組合連合会 大地を守る会
  公式サイト:http://yuki-eiga.com/
国際有機農業映画祭2007。2007年11月24日。国際有機農業映画祭2007公式サイトへ

2007.9.23 No.490
■クローン動物由来製品に表示義務 カリフォルニア州
 米国カリフォルニア州上院は9月12日、あらゆるクローン動物とその子孫に由来する製品に対して表示義務を課する法案(SB63, "Food labeling: cloned animals")を可決し、9月20日に成立した。
 ・California legislative information, 2007-9

 2006年12月、クローン動物が安全であるとして米国食品医薬品局(FDA)は、表示なしの流通を認める方針を明らかにし、意見募集を終えている。これにより年内に正式承認されると見られている。この法案は、こうしたFDAの方針に対して消費者の知る権利を守るために提出されていた。2007年5月に公表されたConsumers Union(消費者連盟)の調査では、クローン由来製品の表示を89%が望んでいるという。

 この法案の提案者の Carole Migden上院議員は、「カリフォルニア消費者は、自分たちが食べているもの、子供たちに与えているものを知りたい」「買い物するものが何であるかを知る権利がある」と、声明で述べている。
 ・Carole Migden, 2007-9-12

 米国のInternational Food Information Council (IFIC)が2007年7月に米国内で実施した意識調査の結果では、クローン動物に対して好ましくないと考えている日は50%に達している。
   好ましい    22%
   どちらでもない 28%
   好ましくない  50%

 ・International Food Information Council, 2007-9
 Center for Food Safety(食品安全センター)は9月14日、法案可決を歓迎する声明を出した。
 ・Center for Food Safety, 2007-9-14
 2007年1月には米国上院においても、クローン食品表示法案が提出されている。

■食品安全員会 体細胞クローン解禁へ踏み出す
 食品安全委員会企画専門調査会は9月7日、第21回会合において食品安全委員会が自らの判断により食品健康影響評価を行うべき案件について検討し、体細胞クローン牛を含む6件を選定した。企画専門調査会の議事概要では「次回の企画専門調査会において再度検討することとなった」としている。
 ・食品安全委員会企画専門調査会

 このリストアップは、米国がクローン動物由来製品の表示なしの流通解禁を2007年内にも実施するとの方針を受けてのものと見られる。米国内の動きには「何を食べさせらるのか」という“危機感”が感じられる。米国がクローン由来製品を解禁した場合、法規制のない日本では、米国産クローン牛肉ばかりかクローン豚肉も、大手を振って輸入され流通することになるだろう。米国では表示、日本では表示なし、ということもありえない話ではない。

 日本では1993年以来、受精卵クローン牛は312頭が食肉として出荷されているが、体細胞クローン牛は法規制のないまま、農水省の自粛指導により出荷されてはいないこととなっているとされている。日本での体細胞クローン動物は、牛が528頭、ブタが205頭、ヤギが9頭となっている。体細胞クローン牛528頭中の約55%が、死産(77頭)、生後直死(88頭)、病死等(125頭)と死亡している。
 ・農水省, 2007-8-3
■講演会:ラテンアメリカ、“善”の枢軸
 米国のブッシュ大統領は2002年、一般教書演説で北朝鮮、イラン、イラクの3ヶ国を名指して「悪の枢軸」と非難した。これをもじってベネズエラのウゴ・チャベス大統領は、キューバ、ベネズエラ、ボリビアを「善の枢軸」と称している。ラテンアメリカでは米国主導の米州自由貿易地域(FTAA)に対抗して、キューバとベネズエラは2005年4月、米州ボリバル代替統合構想(ALBA)を結成、2006年4月にはボリビアが加盟している。こうしたラテンアメリカの状況をキューバ大使館参事官エルミリオ・ロペス氏が講演する。この講演会は、ロペス氏が近く帰任することになり、その送別会を兼ねている。

(以下、転載)

キューバ大使館参事官エルミリオ・ロペスさん
■帰国記念講演会 & 送別会■

 ロペスさんは1994年10月〜98年6月、駐日キューバ大使館三等書記官、2003年3月からは参事官として着任され、長年、日本とキューバの交流に尽力してこられました。キューバ友好円卓会議の活動にもひとかたならぬご協力をいただきましたが、このたび帰国されることになりました。
 つきましては下記のとおり、送別会を兼ねて講演会を開催します。
 みなさまの参加を心からお待ちしています。

 【講演テーマ】
  ラテンアメリカの新しい波 善の枢軸!
  キューバ、ベネズエラ、ボリビアの連帯と「民衆の間の貿易協定」
 【日 時】9月29日(土)15:00〜18:00
 【会 場】パルシステム生活協同組合連合会 5階集会室
      (東京メトロ「茗荷谷」駅徒歩4〜5分)
 【参加費】3000円(送別パーティー代を含みます)
 【お問合せと申込み】
   ※9月26日までに、FAXかメールでお申込みください。
     キューバ友好円卓会議  FAX 03‐3415‐9292
               e-mail cuba_entakujp@yahoo.co.jp