・PLoS Pathogens, 2008-9-12
・EurekAlert, 2008-9-11
従来、BSEは肉骨粉などを解して異常プリオンたんぱく質が“感染”し、脳内で異常プリオンたんぱく質を増加させることで発症するとされたきた。この研究の示すことは、理非と教授の言うように、いくら飼料規制を行ったとしてもBSEの発生を防ぐことは出来ないということに他ならない。米国は2007年5月、OIE(国際獣疫事務局)より「管理されたリスクの国」とのお墨付きを得ている。しかし、2008年に入ってBSEの危険性が高いといわれているヘタリ牛(ダウナー牛)を肉牛として処理し、それが学校給食にも供給されていたことが暴露されている。米国のBSE検査体制はザルのようなものと言わざるを得ないだろう。
・共同通信, 2008-8-30
米国では。年間3千万頭が肉牛として処理されている。リヒト教授らの研究によりその遺伝子変異が0.05%以下であるとしても、最大に見積もっても年間15,000頭に問題の遺伝子変異が起きている可能性があることになる。これらすべてがBSEを発症していない潜在的な感染牛ではないとしても、感染牛が紛れ込んでいる可能性が高いといえるだろう。さきの連邦高裁の判決を考えるとき、こうした感染牛をどのように取り除くのだろうか、はなはだ疑問である。こうした米国の政策は、結局「くさい物に蓋」でしかない。そのつけは誰が払うのか。
一番の問題は、アフラトキシンB1に汚染された“事故米”がどこに流れたかという点である。アフラトキシンは自然界最強の発がん物質といわれ、その毒性はダイオキシンの10倍ともいわれる。その中でもB1が最も毒性が強いという。アフラトキシンは、遺伝子の突然変異を起こしやすい遺伝毒性発がん性物質であることから摂取量を可能な限り低くすることが求められ、摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される摂取量である耐容摂取量は設定されていない(食品安全委員会)。
・食品安全委員会 アフラトキシンB1について [PDF]
5日の発表当初、毎日新聞などによればアフラトキシン汚染米約9.5トンの一部、2004年度に三笠フーズに売却されたベトナム産汚染米約3トンが焼酎メーカー3社に流れたという。8日のには、アフラトキシン汚染米の一部が外国産の正規米に混入され販売されたという。
【カビ(アフラトキシンB1)汚染米】農水省,9月5日発表より作成-------------------------------------------------
2006年度売却分 Kg
アメリカうるち精米(0.01ppm) 390.0
中国うるち精米 (0.05ppm) 5,768.2
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2004年度売却分
ベトナムうるち精米(0.02ppm) 3,367.4
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計9,525.6Kg
・農水省, 2008-9-5 ・農水省, 2008-9-9 ・毎日新聞, 2008-9-6 ・毎日新聞, 2008-9-8
自然界最強の遺伝毒性発がん性物質であるアフラトキシンB1が混入したコメの流通を三笠フーズが認めている以上、どこに、どれだけ流れ、どのような状況であるかを早急に明らかにする必要がある。大田農水大臣の発言を見ると、アフラトキシンの混入はさしたる危険ではない、という立場に立っているということだけははっきりしている。どれが安全であるか分からなければ、消費者は危ないと疑わしきものを避けるしか身を守る方法はない。農水省が同意を条件に公表を渋る以上、“風評被害”が当然のものとして起きるだろう。そもそも、農水省の杜撰な管理が招いた今回のライスロンダリング・スキャンダルは、単に違約金を取るというレベルの問題ではない。消費者の健康の問題なのだ。
もう一つの問題は、今回の汚染米が全量ミニマムアクセス米(MA米)であるという点である。WTO(世界貿易機関)の推し進める自由貿易体制が招いた問題なのだ。食の安全を言いながら、食料の海外依存率が60%の現在、輸入食料に依存する日本の食が、実は安心できないものかを如実に示しているといえるだろう。
このミニマムアクセス米は、年間77万トンの輸入が義務付けられているが。ライスロンダリングが明らかになった5日、2007年度の輸入量が70万トンしか確保できなかったことが明らかになっている。世界的な食糧危機が明らかになり、ベトナムなどのコメの輸出国が禁輸に踏み切る中、日本がミニマムアクセスを根拠にして高値でコメを買いあさることが、食料危機にあえぐ国々をより厳しい状況に追い込むことは明らかである。ここにも無理を押し通すWTOの不条理が現れている。
・毎日新聞, 2008-9-5