最終更新日:2011年5月7日
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2011年5月の農と食

2011.5.7 No.521
■じわじわと拡がる放射能汚染

 文科省は5月6日、米国エネルギー省と共同で行った航空機によるモニタリング地図を公表した。地図は、空間線量[μSv/h]、セシウム134とセシウム137による土壌汚染、セシウム134だけの土壌汚染、セシウム137だけの土壌汚染の4種類である。公表された地図によれば、セシウム134とセシウム137は、ほぼ同じような分布となっている。

 ・文科省, 2011-5-6
 

 今回公表された地図によれば、東京電力福島第一原発から北西方向、飯舘村全域に及ぶ高い汚染地域がはっきりと表れている。また、伊達市から福島市、郡山市を経て須賀川市に至る浜通りには、飯舘村ほどではないにしても高い汚染地域が現れている。

 事故を起こした原発から北西部の汚染が高いことは、すでに3月末に飯舘村周辺放射能汚染調査チーム(代表・今中哲二氏)による飯舘村内の調査結果でも明らかになっていたが、今回の文科省の調査によっても同等の結果となっている。

 ・飯舘村周辺放射能汚染調査チーム, 2011-4-4

 ●チェルノブイリの退避・移住レベルの土壌汚染

 チェルノブイリ原発事故の後、ソ連政府はセシウム137の汚染により、表1のような区分により住民を強制退避や移住させた。この区分を文科省が公表した地図の色分けと対比させると表1のようになる。チェルノブイリの区分に従えば、浪江町、舘岩村は全域が「強制退避」ないしは「移住の義務」ゾーンに該当する。また、福島市や郡山市などの浜通り一帯は「移住の義務」ないしは「希望すれば移住」のゾーンに含まれるレベルの汚染度である。この浜通り一帯では、このような汚染にも関わらず、児童や生徒に対して、年間20ミリシーベルトまでを許容する通達が文科省より出されている。国際的な反対と撤回要求の拡がりにもかかわらず、いまだに撤回されていない。なんら有効な措置が取られない現状に、「チェルノブイリ以下」などとの言説がむなしくなる。

 【表1】チェルノブイリ退避基準と福島土壌汚染
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 チェルノブイリ基準 Ci/Km2 Bq/m2 文科省地図区分
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  放射線管理ゾーン   1  37K
 --------------------  5  185K      青
  希望すれば移住           300K -------
 -------------------- 15  555K      空色
  移住の義務             600K -------
                       緑
                   1000K -------
 -------------------- 40  1480K       黄
  強制退避
                   3000K -------
                       赤
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 原発から放出された放射性物質は、200キロ圏を超えて広がりつつある。5月6日には前橋市や埼玉県東秩父村の牧草のセシウム137による汚染が相次いで公表された。千葉市にある日本分析センターの公表している同社敷地内の放射性物質は、チェルノブイリの「希望すれば移住」ゾーンの下限値である 185KBq/m2 の半分ほどにまで達している。原発からの放射性物質の放出は、今も続いている。ライブカメラには、判別がつかないものの、相変わらず蒸気か煙のようなものが映し出されている。考えたくはないが、じわじわと汚染が拡大していることは間違いないだろう。

 ・時事通信, 20011-5-6  ・日本分析センター, 2011-4-21