インド下院農業委員会の設置したパネルは8月9日、2年にわたる調査報告書を公表し、すべての遺伝子組み換え作物の試験栽培の禁止を求め、将来的に試験栽培は厳密な封じ込めによって行われるべきとした。この報告書は、農業委員会満場一致で採択された。
まだ、日本国内での遺伝子組み換え作物は商業栽培されてはいないものの、全国各地で遺伝子組み換え作物の試験栽培が行われている。2012年度、隔離圃場での遺伝子組み換え作物の試験栽培は9施設、延べ28品種。モンサントなど遺伝子組み換え企業4社の隔離ほ場と、国内3大学、2つ農水省系の研究所で実施されている。
岩手県は8月9日、県内の農家が守り続けてきたヒエ、アワ、キビ、モロコシ(タカキビ)の在来系統の雑穀約230種の種子の保存するとともに、栽培や特性等のデータを「岩手県雑穀遺伝資源データベース」として整備したと発表した。
広島県の(財)広島県農林振興センターの運営する農業ジーンバンクでは、保存している約5千品種の中から、味や食べ方で選んだ品種を「広島お宝野菜」として生産者に種子を提供している。
日本の有機農業のアキレス腱の一つが有機のタネの入手の困難さ。サカタのタネやタキイ種苗をはじめとして、種苗メーカーによる供給は拒絶されているのが現状である。一部には、日本有機農業研究会・種苗ネットワークが会員向けの自家採種の種の頒布や、自然農法研究開発センターによる自家採種を前提とした少量パックの頒布も行われている。また、輸入の有機種子もあるが、少量であったり、原産国がイスラエルであったりと、問題は大きい。
この9月1日、第2回目となる「国際水映画祭2012」が、東京・表参道の国連大学を会場に開催される。今回は、ボリビアの水道事業民営化を題材とした社会はドラマ『雨さえも』や、半世紀にわたり患者に寄り添い水俣病と闘い、6月にお亡くなりになった、医師の原田正純さんを追った『未来への診断書』など5作品が上映される。
真摯に“対象”と向き合ったドキュメンタリー作品には心を打つものが少なくないが、その制作資金は大変。完成が待たれる2本の作品が支援を求めている。その1本は『いのち耕す人々』の原村政樹監督による『天に栄える村(仮題)』。もう1本は、上関原発計画と闘い続ける祝島の人々を描いた『祝の島』の纐纈あや監督による『ある精肉店のはなし(仮題)』だ。
2012年7月
- 放出続くGM蚊 開発ラッシュ?GM昆虫
- フランスが疑問視のGM作物を承認
- 再評価で死亡例のGM大豆も承認
- GMジャガイモの評価を開始
- EU:GM動物解禁へ一歩
- 米国:3大GM作物 シェアは9割に達する