ペットフード用を食用“転売”
厚労省は9日、福山市の株式会社フード・ネットが販売していたタイ産の乾燥パパイヤから未承認の遺伝子組み換えパパイヤが見つかり、福山市が回収を命じたと発表した。
この遺伝子組み換えパパイヤは、別の輸入者がタイからペットフード用として輸入した乾燥パパイヤを、フード・ネットが「野菜ぱぱいやお試し」「野菜ぱぱいや」という商品名で、食用としてインターネットで販売していたもの。
厚労省によれば、ヨーロッパで未承認のタイ産遺伝子組み換えパパイヤが見つかったとの報告が複数あり、国立医薬品食品衛生研究所が、タイ産パパイヤ加工製品(4製品)を国内で購入し検査したところ見つかった。厚労省はまた、9日より検疫所におけるタイ産パパイヤのモニタリング検査を始めた。日本で承認されている遺伝子組み換えパパイヤは、2011年12月に承認された米国産のヤリングスポットウイルス抵抗性1品種のみである。
・厚労省, 2013-7-9 ・福山市, 2013-7-9タイでは2004年7月、グリーンピースが、タイ東北部のコンケン県の農家で、リングスポット・ウイルス抵抗性遺伝子組み換えパパイヤが栽培されていたと発表。試験栽培を行っていた研究所から種子が流出していたとみられていた。今回見つかったGMパパイヤが、2004年に流出のものと同じものかは不明。
日本でも2011年4月、沖縄で未承認のGMパパイヤに汚染 された「台農5号」が見つかり、現在なお根絶作業中である。
しかし、ペットフード用と輸入されたものが、ヒトの食用として“転売”されていたことには驚く。同時に、2008年の三笠フーズ事件に象徴される、こうした“マネーロンダリング”ならぬ“フードロンダリング”が、日常的に行われているのではないかと疑念を抱く。時事通信によれば、販売業者はこのパパイヤを「輸入業者から遺伝子組み換えでもペットフード用でもないと聞いており、困惑している」という。厚労省の発表などでは、問題のGMパパイヤの輸入業者は明らかにされていない。
・時事通信, 2013-7-9
◆三笠フーズ事件
三笠フーズなど3社が2008年、強カビ毒のアフラトキシンや農薬のメタミドホスに汚染された“事故米”を工業用として売却を受けながら食用として販売。転売先は約400社に及び、焼酎やせんべいの原料、学校給食用として消費されていた。
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