今年で7回目となる国際有機農業映画祭は、11月22日(金)から24日(日)の3日間、「土くれを握りしめて」をテーマに開催される。今回は、法政大学沖縄文化研究所との共催で、法政大学外濠校舎(東京・市ヶ谷)を会場に、日本初公開3作品を含む9作品が上映される。
注目の1本は『GMO OMG 遺伝子組み換え? なんだそれ?』。米国の3人の子供を持つ父親が、毎日の食材に疑問を持ち、“遺伝子組み変え”が何であるかを探して歩くという作品。とても分かりやすく解き明かしている。遺伝子組み換え作物や加工食品ばかりでなく、その対極にある在来種の保存と継承の問題(自家採種)や、北極圏スピッツベルゲン島に設けられた国際的なジーンバンクGlobal Seed Vaultにも取材しているところが、これまでの同じような作品とは異なっている。タネ屋のカタログで文字を覚えた6歳の長男坊主、大きくなってどう変貌するのだろうか。音楽もいい。
今年は、沖縄・恩納村の百姓の仲西美佐子さんと『福島 六ヶ所 未来への伝言』監督である島田恵さんに、沖縄、福島、六ヶ所で、大地と海を奪われてもそこに生きる人と土の声をじっくり聞く時間が設けられている。22日には沖縄文化研究所の公開講座『奄美・沖永良部の文化・社会・アイデンティティ』も予定されている。
国際有機農業映画祭2013
http://www.yuki-eiga.com/
百姓は心のなかに宇宙をもっている、と詠ったのはもうこの世にいなくなった陸奥の老百姓でした。その宇宙は土でできていて、優しくて深い百姓の知で満ちていて、自然とのつき合い方や文化や種や、みんなこの宇宙が産み出したというのでした。だから百姓は、この土でできた宇宙を守るためにたたかいぬくのだと。今年、パートナーとなった沖縄文化研の導きでわたしたちは、その宇宙を守るためにたたかい続けている沖縄の百姓と出会いました。沖縄の百姓の宇宙は福島の百姓の宇宙、世界中の百姓の宇宙とつながっていて、みんな土くれを握りしめている。映画祭を通してそんな百姓の宇宙と私たちそれぞれの宇宙が通いあえれば、そんなことを夢想しています。
共同代表 大野和興
今年の有機農業映画祭は、「土くれを握りしめて」というテーマを掲げています。「土」で表象される自然が私たちの経済活動の、あるいは生命活動の根底にあることは文明が進むほど忘れられたり、軽視されたりします。17世紀なかばに経済学が成立したとき、その経済学の創始者というべきケネーやアダム・スミスは、私たちの社会が、農業を出発点として成り立っていることを鮮やかに描き出し、当時の、貨幣を至上の富とする重商主義の考え方を批判しました。今日、私たちは、再び、貨幣至上主義の市場経済に振り回されています。土地を生かし、人を生かすという根源的な原理が今ほど再考・再評価されなければならない時期はないと思います。
所長 屋嘉宗彦
【国際有機農業映画祭2013 概要】
会 場:法政大学市ケ谷キャンパス外濠校舎
さったホール・S505教室
アクセス:JR中央線市ヶ谷駅・飯田橋駅下車
法政大学市ケ谷キャンパス外濠校舎
期 日:2013年11月22日(金)23日(土)24日(日)
参 加 費:前売 1,800円・当日 2,500円・
学生&25歳以下 1,000円(要証明書提示)
※15歳以下無料(要予約)
※半券提示で再入場自由
共 催:国際有機農業映画祭運営委員会
法政大学沖縄文化研究所
有機農業の世界を次世代に伝えたいという趣旨で、参加費が、学生・25歳以下1000円、15歳以下が無料。なお、前売の締め切りは11月10日。
公式サイト http://yuki-eiga.com/
詳細:http://yuki-eiga.com/cat/cat_2013.html
【11月23日(土)】
(2012年/日本/36分)
(2009年/アメリカ/53分)
※予告編
(2013年/日本/60分)
※予告編
(2013年/アメリカ/84分)
※予告編