厚労省は10月3日、モンサントの遺伝子組み換えダイズ2品種を食品として承認した。これにより安全とされるGM食品は282品種になる。その多くが、交雑したGMトウモロコシのが対象と思われる掛け合わせ品種である。
・厚労省, 2013-10-3今回承認のモンサントのGMダイズは、GM高オレイン酸ダイズMON87705系統と除草剤耐性GMダイズMON89788系統の掛け合わせ品種で、食品安全委員会は9月2日に「安全」とする評価を決定している。
もう一つのモンサントのGMダイズの一つ、除草剤ジカンバ耐性ダイズMON87708系統の生物多様性に係る評価は昨年10月に終了している。だが、米国では環境影響評価のため、まだ承認されていない。
●米国は ジカンバ耐性承認に一見“慎重”姿勢
米国農務省は5月10日、このGMダイズを含むモンサントのジカンバ耐性GM2品種と、ダウ・ケミカルの2,4D耐性GM3品種を対象として環境影響評価書(EIS)を作成すると発表した。APHIS(米国農務省動植物衛生検査局)の発表によれば、これらの2つの除草剤耐性GM作物は初めての申請であり、EISが必要だと判断したとしている。
APHISはまた、2,4D耐性GMでは40万人以上の請願署名と8千余りのコメント、ジカンバ耐性GMには3万通余りの請願があったとも公表している。こうした、多くの市民による反対意見が、承認を慎重にさせている(この点では、パブリック・コメント制度がまったく機能していない日本よりは、まだましかも知れない)。
一方、食品安全センター(Center for Food Safety)などは、ジカンバも2,4Dも広く漂い拡散し、周辺への影響が大きいと、その問題点を指摘し、承認に反対している。
スーパー雑草が広がりによって、ジカンバのような新たな除草剤耐性のGM作物を“必要”としているかのように見える。しかし、モンサントなどGM種子企業は、新しい除草剤耐性GM作物を作りださざるを得ない、という袋小路に陥っているということでもある。何年か先には、別の除草剤耐性GM品種を開発せざるを得ないことは明らかだ。
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