最終更新日:2013年12月28日
2013年
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 16年
 17年 18年 19年

2013年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031
最近の記事
2022.12.29 No.1152
2022.12.25 No.1151
2022.11.30 No.1150
2013年12月の記事
2013.12.28 No.596
2013.12.28 No.595
2013.12.28 No.594
2013.12.28 No.593
2013年11月の記事
2013.11.14 No.592
2013.11.13 No.591
2013.11.08 No.590
2013.11.02 No.589
2013年12月

2013.12.28 No.596
■有機農業推進計画改定 産業としての有機農業を盛り込む

 農水省は12月19日、有機農業推進計画の改定案を示し、意見募集を始めた。締め切りは1月17日。改定案は8月から10月にかけて3回の食料・農業・農村政策審議会企画部会「有機農業の推進に関する小委員会」の審議を経て提示された。

 今回の意見募集に先立ち公表された素案の説明文書「現行の基本方針、ポイント及び新たな基本方針(素案)について」をみると、改定個所やその意図がよくわかる。改定案は、有機農産物の生産高を0.4%から1%程度にまで増加させる数値目標や、先進有機農家による研修受け入れ拡大などを盛り込んだ。加えて、今までなかった“暮らし方としての有機農業”と“産業としての有機農業”という考え方を新たに盛り込んでいる。広域流通を前提とする場合、有機JAS以外の選択肢がないとして、「有機JASの認定手続きの簡素化や、有機JASによる認定農産物を増やすための対策が必要」とも指摘し、有機JAS取得への誘導を図ろうとしている。

 もうひとつ特徴的だと思われる点は、有機農業の定義を外した点だ。現行の推進計画はその最初の部分で、有機農業を定義する形で次のように記述している。

化学肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本とする有機農業は、(以下略)

 この部分は単に「有機農業は」とだけ記述され、「遺伝子組換え」を使わないという点は、推進計画(案)からは消されている。

 ・農水省, 2013-12-19  ・農水省, 2013-10-24

 2007年3月、最初の有機農業推進計画策定の審議会の最後に吉田審議官(当時)は「環境保全型農業の一部として推進するのではなくて、有機農業としてしっかり推進していきたいと思っております」と述べたが、農水省はもとより地方自治体まで浸透しているようには見えない。有機農業を環境保全型農業の一部とするような行政や、有機農業排除を公言してはばからない農協関係者の意識改革も必要だ。