消費者からみた日本の遺伝子組み換え食品の表示は、明らかに不十分である。GMナタネが原料のキャノーラ油(カノーラ油、菜種油)とか、GM大豆を使ったしょう油などのように、GM原料を使っていても表示義務のないものもあるからだ。
GM食品の表示義務は、組み換えDNAやたん白質が検出可能とされている33の食品だけが対象とされている。指定外の食品はもとより、GM由来の添加物も、GM微生物も表示の義務がない。
厚労省の薬事・食品衛生審議会新開発食品調査部会は11月11日、これまでの遺伝子組み換え食品と組み換え微生物を利用した添加物などに関する承認申請を、大幅に省略する方針を了承した。この規制緩和により、GMトウモロコシなどのGM食品の承認申請が一部不要になるなど、米国に準じたGM食品の承認規制に緩和されることになる。実施時期の見通しは明らかではないが、来年には実施に移されることになる模様だ。
“消費に安全なレベルはない”
米国FDAは11月7日、シュートニングやマーガリンなどに多く含まれているトランス脂肪酸について「人工的なトランス脂肪酸の消費には安全レベルがない」として、その禁止についての意見募集を始めた。FDAは発表の中で、トランス脂肪酸の禁止により、年2万人の心臓疾患による発作と7千人の死亡を減らせるとしている。あの“回転ドア”のFDAが「安全なレベルはない」とした点が注目される。
1000人以上が試食
10月21日の新華社によれば、今年5月より中国各地20以上の都市で、ゴールデンライスを含む遺伝子組み換え米の試食イベントが開かれ、すでに1000人以上が参加したという。中国政府の関与には触れていないが、こうしたイベントを通してGM米への懸念を払拭しようとしているという。参加者はインターネットでの募集に応募した人たち。