最終更新日:2014年1月9日
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[遺伝子組み換え]
■タスマニアはGMモラトリアムを無期限延期を決定
オーストラリアで唯一GMを規制しているタスマニア州政府は1月9日、2014年11月に期限切れとなる、タスマニアにおける遺伝子組み換え作物とGM動物に対するモラトリアムを無期限に延長すると発表した。このモラトリアムの無期限延長は、実質的にGM栽培の禁止を意味することになる。
タスマニア州は、2001年からGM栽培に関してモラトリアムを実施してきた。が、2014年の期限切れを前にして次のような内容のモラトリアムの無期限延長を決めた。
- 商業的な農林水産業、園芸、バイオメディエーション、ペットにおける遺伝子技術の使用禁止
- 環境中で生育可能なGM生物の移入禁止
- 生育不可能な大豆粕のような飼料の移入は除く
- 医学あるいは研究用途、環境リスクのない非農業分野の工業利用は除く
タスマニアが、オーストラリア本土から隔離された島であるということから、“GMOフリー”というタスマニア・ブランドは、プレミアム価格の恩恵を受けていた。モラトリアムの延長議論の中では、ハチミツ業者には、GMモラトリアムが終わるなら作物の授粉をやめるという声すらあったという。
・Sustainable Pulse, 2014-1-9オーストラリア本土が、GMナタネなどGM作物の商業栽培を認め、隣接する有機農場が、GM汚染の被害を受けるなどの問題がでている。こうした状況の中では、重要な決定といえる。
●GMケシ栽培は認められる?
タスマニアでは1960年中ごろから医療用モルヒネ用のケシの栽培が始まり、90%が輸出され、世界でのシェアは25%を占めている。このケシの栽培に関し、英国医薬品大手のグラクソ・スミス・クライン社は、1998年ごろ生産性アップを目的とする遺伝子組み換えのケシの試験栽培を実施している。グラクソ社によれば、フリンダーズ島での試験栽培計画が州政府のモラトリアムにより妨げられたとある。しかし、9日のガーディアン紙は、このGMケシ栽培はモラトリアムから除外される、と報じている。この点では、何らかの“妥協”があったのかもしれない。
・GlaxoSmithKline ・Gardian, 2014-1-9