米国環境保護庁(EPA)は10月15日、ダウ・ケミカルの除草剤2,4−Dとグリホサート(ラウンドアップ)の混合農薬 Enlist Duo を条件付で承認した。ダウ・ケミカルが、3種類のこの2,4−Dに耐性のある遺伝子組み換え大豆とトウモロコシについて栽培承認を求めていたこともあり、25万人が承認に反対に署名していた。食品安全センター(Center for Food Safty)などは22日、人への健康影響や野生生物への影響を評価しない形式的な承認であるとして、承認取り消しを求めて提訴した。
『DAYS JAPAN』11月号(10月20日発売)が「遺伝子組み換えの犠牲者たち 遺伝子組み換えのタブー」という特集を組んでいる。遺伝子組み換えの問題を写真を通して考える記事は少ない中、この特集では、モンサントの研究所内部を取材した「遺伝子組み換え作物はこうして生まれた」、インドのGMコットンと自殺の問題「インド・遺伝子組み換えコットンの悲劇」、アルゼンチンの農薬被害「アルゼンチン・農薬に蝕まれる子どもたち」の3つを取り上げている。
米国環境保護庁は10月16日、ネオニコチノイド系農薬による大豆の種子処理が、経済的に無意味であるとの分析結果を公表した。あらかじめネオニコ系農薬のイミダクロプリド、チアメトキサムとクロチアニジンで処理された種子を使ったとしても、同様の効果を持ついくつかの農薬を葉面散布することで無駄なことと結論している。大豆の種子処理は栽培農家に利益をもたらすことはない、と述べている。この分析は大豆に限定している。
ロスアンゼルス市議会は20日、市内全域から遺伝子組み換え作物を排除した“GMフリーゾーン”とする条例を正式に審議することを決めた。ロサンゼルスタイムズ紙などが報じた。
世界最大の大豆輸入国の中国は今年、米国、ブラジル、アルゼンチンから約6千9百万トンを輸入すると見込まれている。アルゼンチン産大豆の残留農薬は、WHO推奨の5倍もあり、中国は健康リスクに直面すると南華早報が報じた。アルゼンチンで生産される大豆の98%がラウンドアップ耐性GM大豆。米国の2倍の農薬使用により、ラウンドアップの主成分のグリホセートが高濃度で残留しているとしている。
米国の消費者連盟(Consumers Union)はこのほど、消費者レポート(Consumer Reports)誌上で、米国で「Natural」と表示して販売されている、トウモロコシとダイズを成分としている加工食品の多くがGM成分を含んでいる、とする買上げテスト結果を公表した。
世界的には、日本はGM表示制度のある国に数えられ、加工食品32分類に対してGM表示が義務となっている。しかし、その内容は、閾値が5%であったり、食用油などの除外製品があったりと、不十分であるといわざるを得ない。
大詰めを迎えたといわれるTPP交渉では、GM表示外しには触れないことで妥協が成立したとされているが、その内容は明らかになっていない。日本の不十分な表示制度であっても、TPPにより、どうなるか先行きが危うい。
8回目となる国際有機農業映画祭2014は、会場を武蔵大学に移し、12月14日(日)、テーマを「流れに抗(あらが)う」として開催される。
TPPに象徴される新自由主義経済が、人々の生活を飲み込もうとしている。世界の食の7割以上を支える小規模家族農業が危機に追いやられつつある。こうした流れに抗う5作品を上映。そして、山形で進められている地域丸ごとの「置賜自給圏構想」の、提唱者であり推進者でもある菅野芳秀さんをゲストに、百姓としての生き様を聞く。
米国ワシントン州シアトル市議会は9月22日、市民からの要請を受けて、シアトル市の管理下にある土地でネオニコ系農薬の使用と購入を禁止するよう議決した。決議ではまた、市内での使用や販売の中止を勧告するとともに、ネオニコ系農薬の米国内でのモラトリアムの支持を明記している。シアトル市議会の決議について、市長は署名の意向と報じられている。
文科省と環境省9月18日、森林総合研究所が申請した雄性不稔遺伝子組み換えスギの隔離圃場(茨城県日立市)での試験栽培について意見募集を始めた。雄性不稔GMスギの隔離圃場試験は世界初となるもので、18年3月末まで栽培試験が予定されている。締切りは10月20日。
地域支援型農業と称されるCSA(Community supported Agriculture)は、まだまだ、日本ではなじみが少ない。全国で徐々に取り組まれてきているといわれているが、実践農家としてはメノビレッジ(北海道)と、なないろ畑農場(神奈川県)ぐらいしかないのが実情だ。
このような状況の中で10月4日、第1回CSA研究会が神奈川県大和市で開催された。CSA農家、消費者、研究者、学生など約20人が集まり、各国のCSAの概況、CSA農家の実践報告などが行われた。研究会の前には、なないろ畑農場の見学会も行われた。
米の検査規格の見直しを求める会は、斑点米カメムシ類防除中止などを農水省に求める賛同署名を募っていたが、これまでに農業者や消費者、環境団体など77団体が賛同し(10月2日現在)、同会のホームページで公開した。同時に募っている個人の賛同署名も約600人に達したという。同会は、この賛同署名の締め切りを10月末まで延長した。
- ネオニコ系国内出荷量 21年度3.8%増 第二世代は63%増
- 有機農業は排外主義に与しない 参政党に反対する農民と市民が声明
- 冊子『スルホキサフロル 新しいネオニコチノイド系農薬』刊行のお知らせ
- ネオニコ系イミダクロプリド 自閉スペクトラム症様の視知覚障害を引き起こす
- 厚労省:グリホサートの残留基準値を大幅緩和を告示
- メキシコ GMトウモロコシ栽培を禁止 24年までに輸入も段階的に禁止
- 東アジアは農薬のホットスポット 日本はトップ5
- 農薬再評価 ネオニコとグリホサートなど優先14品目を告示
- 米国産ジャガイモ 輸入規制緩和 ポストハーベストも認める
- 輸入小麦の残留グリホサート 豪州産の検出率急増