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最終更新日:2015年03月26日
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2015.03.26 No.653
■台湾:日本産食品に回収命令
  輸入禁止5県以外に産地偽装
台湾食品薬物管理署発表の表示例
台湾食品薬物管理署発表の表示例zoom

 台湾の厚生福利部食品薬物管理署は3月24日、日本産加工食品283種類の産地が、福島など輸入禁止の5県以外に偽装されていたため、輸入業者に回収を命じたと発表した。台湾は、福島第一原発事故に伴い、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県からの食料品の輸入を全面的に禁止している。

 食品薬物管理署は、19日から21日にかけて、台湾各地の自治体と協力して約3000種類の日本産食品を調査し、283種類の違反を見つけたとしている。違反食品は約20トンに達した。今回摘発された加工食品は、いずれも産地が5県以外に偽装されていたとしている。リストにあがったものには、キッコーマン醤油、味の素、日清フーズ、ヱスビー食品、東洋水産、伊藤園、キリンビバレッジなど、大手食品メーカーが軒並み名を連ねている。

 26日午前10時現在、産地偽装は延べ295種類となったものの、うち9種類は実際の産地が5県以外として除外され、合計286種類が違反とされた。違反食品は合計約100トンとしている。また、違反には300万元以下の罰金が科せられるとしている。

  福島(19件)、茨城(74件)、栃木(42件)、
群馬(110件)、千葉(41件)

 ・厚生福利部食品薬物管理署, 2015-3-24
 ・厚生福利部食品薬物管理署, 2015-3-26
 ・厚生福利部食品薬物管理署, 2015-3-25
 ・農水省, 2015-3-3

 フォーカス台湾によれば、厚生福利部の蒋部長は25日、輸入規制の撤廃を検討していると述べたという。また、日本から輸入される全ての食品を対象とした産地証明書と一部の食品に対する放射能検査証明書の添付を、6月にも義務化すると発表したという。

 ・フォーカス台湾, 2015-3-25

 食品薬物管理署の公表している日本産食品の測定結果では、今回の産地偽装食品から放射能は検出されていない。しかし、昨年来、茶葉から数十ベクレルの放射性セシウムの検出が続いている。

 ・衛生福利部食品藥物管理署, 2015-3-26

 日本では、お茶は飲用状態での測定となっているため、12年4月以降の茶葉の測定データはないのが実情だ。しかし、香港の測定データでも、台湾と同様に茶葉から数十ベクレルが検出されている。厚労省が公表している飲用状態での測定値は不検出となっているが、茶葉は直接食べないほうが良いだろう。

 今回の摘発は、日本の食品表示制度の“欠陥”が原因の一つのようにも思われる。マルハニチロの農薬混入事件でも問題となったが、製造工場の表示は記号表記でよいとされる、消費者にはまったく分からない表示がそれだ。台湾当局は、この記号を一つづつ照合し、実際の産地を明らかにしたようだ。メーカーの都合に合わせるのではない、消費者にとって有益な食品表示が必要だが、残念ながら、消費者庁にそのような姿勢はない。

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