「ラウンドアップは飲んでも大丈夫」
遺伝子組み換えゴールデンライス推進ロビイストのパトリック・ムーアはこのほど、仏テレビ局Canal+のインタビューで、「ラウンドアップは安全。1リットル飲んでも安全」と強弁した。この発言に対してインタビュアーが「グリホサートが少しあります。飲み干せますか?」との問いかけに、「私はバカじゃない」と慌てて逃げ出し、醜態をさらした。インタビューしたCanal+が映像を公開した。モンサントのグリホサートについて、WHOの専門機関である国際がん研究機構(IARC)が、「発がん性がおそらくある」とする2Aにランクしたばかりだ。
公開された映像では、次のようなやり取りがあった。
タイムは27日、このインタヴューを映像とともにに報じ、「パトリック・ムーアはモンサントのロビイスト」とコメントした。モンサントすかさず、「グリホサートは飲み物ではなく、ムーアはモンサントのロビイストではない」と否定する声明を出して打消しに躍起となっている。
パトリック・ムーアの醜態は、余りに底が割れすぎている。慌てて逃げ出すところまで映像で公開されては、「贔屓の引き倒し」にしか過ぎない。
パトリック・ムーアは現在、遺伝子組み換えゴールデンライス推進キャンペーンに邁進中である。もともとはグリーンピースの創設メンバーだったが、1985年に脱退している。グリーンピースは、現在、無関係だとしている。ムーアはまた、原子力エネルギーの開発を支持する環境問題専門家として、原発賛成を明らかにしている。
パトリック・ムーアの醜態は、余りにも単純で誰が見てもすぐ分かるようなもの。この「笑い話」の教訓としては、専門家の「安全です」は疑ってみること、これが市民の「予防原則」ということに尽きる。そういえば、福島原発事故直後、「プルトニウムは飲んでも大丈夫」と公言した東大教授もいたが、その後どうなったのだろうか。
・Time, 2015-3-27・AntiMedia, 2015-3-26
・Monsanto, 2015-3-27
・PRRI, 2015-1-14
・Forum on Energy, 2013-7-22
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