トップに戻る
最終更新日:2015年03月29日
2015年
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 16年 17年

2015年3月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031
最近の記事
2017.04.28 No.795
2017.04.27 No.794
2017.04.26 No.793
2015年3月の記事
2015.03.29 No.655
2015.03.28 No.654
2015.03.26 No.653
2015.03.21 No.652
2015.03.07 No.651
2015.03.04 No.650
2015年2月の記事
2015.02.25 No.649
2014年12月の記事
2014.12.27 No.647
2014.12.25 No.646
2014.12.20 No.645
2014.12.06 No.644
2014.12.05 No.643
2015年3月

2015.03.29 No.655
■GM食品表示強化へ動く韓台中 立ち遅れる日本
GM表示

 遺伝子組換え食品に慎重な姿勢を示している中国はもとより、韓国や台湾もGM食品表示強化に動き出している。混入率3%の韓国は、全成分表示の義務化の方針を明らかにし、混入率5%の台湾は6月より3%に引き下げられる模様だ。日本だけがGM表示は制度としてで大きく立ち遅れている。

 ● 台湾:意図せざる混入率を3%に
 表示は「知る権利」

 台湾衛生福利部食品薬物管理署の専門家会議は昨年4月、意図せざる混入率を現行の5%から2016年1月より3%に下げ、さらに0.9%への引き下げを総合的に検討すると発表した。

 この改定に関し同署は、表示の義務付けは安全性ではなく、消費者の知る権利を保障し、選択の自由を与えるためのものとした。

 同時に、組み換えDNAやこれによって生じたタンパク質を含まない製品は現行の規定通り表示しなくてよいとした。また、量り売りの遺伝子組換え食品については、販売業者の取扱い範囲が広いため、段階的に表示を義務付け、適当な移行期間を設けるとしていた。

 同署は今年2月26日、新たに包装製品や食品添加物の場合の施行日を半年前倒して15年6月1日とし、農産物や量り売りの加工食品は、業者の規模により10月1日と16年1月1日の3段段階とする方針を明らかにした。

 また、当初は現行のままとした組み換えDNAや組換えタンパク質が検出されない製品についても、「本製品は遺伝子組み換え○○から加工・製造されたものであるが、本製品には遺伝子組み換え成分は既に含まれていない」あるいは「本製品の加工原料中には遺伝子組み換え○○が含まれるが、本製品中には遺伝子組み換え成分は既に含まれていない」という表示の義務付けを示した。

 合わせて表示文字の大きさを5ミリ以上と規定した。これらの規定は、30日間のパブコメを経て実施されることになる。

 ・台湾衛生福利部食品薬物管理署, 2015-2-26
 ● 韓国:GM食品 全成分表示の義務化の方針

 韓国食品医薬品安全処は1月25日、主原料でなくても遺伝子組み換え表示を義務化する方針を明らかにした。従来は主要な成分上位5番目までが表示対象であったが、市民団体や野党の「GMO完全表示制度」の要求を政府が一部受け入れた結果、今回の改正方針となった。ハンギョレ(日本語版)が伝えた。

 韓国当局は「食品安全に対する国民の漠然とした不安感が相変らず存在しており、遺伝子組み換え食品の表示対象を増やし、表記文字の大きさも消費者が分かりやすいようになるだろう」としている。しかし、サラダ油など組み換えDNAや組み換えタンパク質が検出できない製品の表示は不要のままである。

 韓国では10年前に一般食品の全成分表示が導入されていたが、遺伝子組み換え食品だけが主原料だけとされていた。消費者団体は、今回の方針を「当然」とするも、表示免除の「GMOタンパク質条項」を撤廃すべきとしている。

 ・ハンギョレ, 2015-1-26
 ● 中国:GM表示を強化へ
 全人代常任委員会で検討開始

 意図せざる混入率が1%の中国では昨年12月、議会にあたる全国人民代表大会常任委員会において食品安全法の改定検討を始めた。この検討では、遺伝子組み換え食品を含んでいるすべての製品の義務的表示を含んでいるとしている。中国日報が報じた。

 ・中国日報, 2014-12-23

 中国の遺伝子組み換え食品の表示は、組み換えDNAや組み換えタンパク質が検出できない場合であっても、「本製品は遺伝子組換え○○から加工されたが、本製品には遺伝子組換え成分は既になくなっている」または「本製品の加工原材料に遺伝子組換え○○が含まれているが、本製品には遺伝子組換え成分は既になくなっている」という表示が義務となっている。(農水省、「中国における遺伝子組換え作物の導入と今後の見通し」)

 ・農水省, 2011-3
  海外農業情報調査分析(アジア) 報告書
 ● 立遅れる日本のGM表示は
 5%以上でかつ上位3番目まで

 日本の遺伝子組み換え食品表示は、ダイズ、トウモロコシなど8種類の農産物と33種類の加工食品、特定の成分を増やした3種類の特定遺伝子組換え農産物(組成や栄養価などが通常の農産物と著しく異なる農産物)についてのみ表示の義務がある。しかし、表示対象は「主原料3位出かつ重量比5%以上」だけであり、豆腐や納豆のように組み換えDNAや組み換えタンパク質が残っている加工食品に限定されている。組み換え成分が変質して検出できない製品は、表示対象外である。

  • 「主な原材料」とは、原材料の重量に占める割合の高い原材料の上位3位までのもので、かつ、原材料の重量に占める割合が5%以上のものをいう。
  • 遺伝子組み換え農産物が主な原材料(原材料の上位3位以内で、かつ、全重量の5%以上を占める)でない場合は表示は不要。
  • 加工工程後も組み換えDNAや組み換えタンパク質が残る加工食品には表示義務がある。

 ・消費者庁, 2014-12-25改正
 ・消費者庁

 日本の遺伝子組み換え食品の表示制度は、台湾、中国、韓国と比べ、混入率でも、検出できないGMタンパク質条項でも劣っているといわざるを得ない。残念ながら、「業界庁」と異名のある消費者庁にやる気がまったくみられない。

  日台韓中4カ国のGM表示比較
混入率 全成分表示 検出できない
GMタンパク質
台湾 5%→3%
0.9%も検討
表 示
韓国 3% 検討開始 不 要
中国 1%
閾値規定なし
表 示
日本 5% 上位3位
かつ5%以上
不 要
【関連記事】