最終更新日:2015年7月8日
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2015.07.08 No.677
■英国 アブラムシ耐性GM小麦は失敗
イメージ:小麦

 英国・ロザムステッド研究所は6月25日、試験栽培を行ったアブラムシ耐性遺伝子組み換え小麦が失敗であったと発表した。このGM小麦は、アブラムシが忌避するフェロモンを作り出すことで、アブラムシによる被害をさけようとしたもの。実験室では十分なフェロモンを作ったが、試験栽培では差がなかったとしている。

 自ら失敗と評価したアブラムシ耐性GM小麦に関する論文は、6月25日付けで、Nature Scientific Reportsに全文公開で掲載された。

 ・Rothamsted Resarch,2015-6-25    ・Nature Scientific Reports, 2015-6-25

 このアブラムシ耐性GM小麦は、近くの有機農家がGM汚染の懸念から中止を訴えていたにも関わらず、試験栽培が強行された。これに対して、この有機農家などが実力で廃棄して論争になっていた曰くつきのもの。

 ロザムステッド研究所の発表に対して、英国のジーン・ウォッチは、「遺伝子組み換えそのものが本来行うべき研究ではない」とする声明を明らかにし、納税者の税金の浪費だと批判した。このGM小麦には100万ポンド(約2億円)以上の資金が投入されたという。

 ・Gene Watch, 2015-6-25

 これで思い出すのは、反対運動にもかかわらず、05年から北陸研究センター(新潟県上越市)で行われたディフェンシン産生耐病性GMイネの試験栽培。「成果」を発表することなく試験は終息し、失敗したものと見られている。失敗を失敗と明らかにする点では、ロザムステッド研究所は「潔い」といえるかもしれない。

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