最終更新日:2015年8月10日
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2015.08.10 No.681
■道総研 「北海道農業者の会」GM栽培要望書
 個人情報を理由に回答を拒否

 日本消費者連盟(日消連)と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン(キャンペーン)は7月16日付けで、北海道立総合研究機構(道総研)に対して、「北海道農業者の会」による遺伝子組み換え作物試験栽培の実施を求めるの要望書に関する公開質問状に、きちんとした回答を行うよう 抗議と再要請 を行った。今年4月、「北海道農業者の会」の要望書が明らかになり、日消連とキャンペーンは5月29日付けで、そうした要望書を受け取ったかなどを明らかにするように求め、他の農業者団体などの賛同署名とともに「申入れおよび公開質問状」を送っていた。

 道総研は6月12日付けで、機構に対する道民や企業等の研究ニーズに関する情報は、北海道個人情報保護条例に定める個人情報であり、同条例により開示できないと 回答 した。この回答に日消連とキャンペーンは、「北海道農業者の会」は団体であり個人情報保護条例による個人には該当せず、一方的な拡大解釈であり、情報の隠ぺい以外の何物でも無いとして抗議するとともに、「北海道農業者の会」の要望書を公開するよう求めた。

 道総研の「個人情報」を理由とする回答拒否は、明らかに条例の拡大解釈といわざるを得ない。道総研は、「北海道個人情報保護条例(抜粋)」を回答に添付し、拒否の理由として第8条の「実施機関は、個人情報収級事務の目的以外に個人情報を当該実施機関内において利用し、又は当該実施機関以外のものへ提供してはならない」に該当するとしている。要望書を提出した「北海道農業者の会」が個人か否かは議論の余地すらない。こんなばかげた拡大解釈が成り立つ余地のないことは明らかだ。

 日消連は、道総研の回答次第では情報公開請求も視野に入れているとしている。

 遺伝子組み換え作物の試験栽培を求める「北海道農業者の会」の要望書の提出は、遺伝子組み換え作物推進の国際アグリバイオ事業団が報じているが、道総研は要望書を受け取ったことすら回答を拒否した。遺伝子組み換え作物栽培に北海道民の8割が反対していることは、北海道の道民アンケートで明らかになっている。こうした道民の意思に沿って、遺伝子組み換え作物の試験栽培を行うつもりがなければ、なおのこと、真摯に先の公開質問状に回答すればよいだけである。

 にもかかわらず、これほどに、ある意味幼稚で理由にもならない理由で回答拒否するには何か理由があると思わざるを得ない。道総研の対応は理解に苦しむものだ。道総研、ひいては北海道は、遺伝子組み換え作物栽培に舵を切ろうとしているのだろうか。一部には、TPP参加を前提とした出来レースではないかという、うがった見方すらある。痛くもない腹を探られる前に、要望書や対応を明らかにすべきだ。

【資料】
◆抗議と再要請
 北海道立総合研究機構
 理事長 丹保憲仁様
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 安達由起
共同代表 大野和興
共同代表 田坂興亜
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐

2015年5月29日付申入れおよび公開質問状への回答に対する抗議と再要請

 先の「申入れおよび公開質問状についての回答」(道総研第 413号、平成27年6月12日付)を受け取りました。ありがとうございました。

 その回答によると、貴機構に対する道民や企業等の研究ニーズに関する情報は、北海道個人情報保護条例に定める個人情報にあたるため公表できないとのことですが、今回、私たちが求めたのは、「北海道農業者の会」が貴機構に対して出した要請の内容であり、「個人情報」には当たらないはずです。北海道個人情報保護条例では、個人情報という用語の意義を「個人に関する情報であって、特定の個人が識別され、又は識別され得るもの」としており、「北海道農業者の会」のような団体を対象としていないことは明らかです。個人情報保護法のガイドラインにおける個人情報の定義にも、「「個人情報」とは、生存する個人の情報(以下、略)」とし、「「生存する個人」には日本国民に限られず、外国人も含まれるが、法人その他の団体は「個人」に該当しないため、法人等の団体そのものに関する情報は含まれない(ただし、役員、従業員等に関する情報は個人情報)」とあります。そもそも、「北海道農業者の会」が要望書を出したかどうかすら答えられないという貴機構の回答は到底、納得できるものではありません。

 かかるご対応は、市民が必要とする情報の当局による隠ぺい以外の何物でもありません。このような個人情報保護条例の拡大解釈が許されれば、私たち消費者・生活者は本来知るべき情報すら手に入れられなくなってしまいます。

 今回のような貴機構による個人情報保護条例の拡大解釈に強く抗議するとともに、「北海道農業者の会」が2015年4月7日付で貴機構に出した要望書の公開を改めて求めます。

 お忙しいところ恐れ入りますが、回答は2015年8月17日までに日本消費者連盟宛てにお願いいたします。

                           以上

◆北海道立総合研究機構回答書(6月12日)
 特定非営利活動法人日本消費者連盟
  共同代表 安達由起 様
  共同代表 大野和興 様
  共同代表 田坂興亜 様
 遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
  代表   天笠啓祐 様
北海道立総合研究機構
理事長 丹保憲仁

「申入れ及び公開質問状」について( 回答)

 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 平成27年5月29日付け20 1 5日消連第2号でご質問のありましたこのことについて、弊機構に対する道民や企業等の研究ニーズに関する情報は、北海道個人情報保護条例( 平成6年北海道条例第2号) 第2条第1号に定める個人情報であり、個人情報については、同条例第8条第1項により「当該実施機関以外のものへ提供してはならない」と規定されていることから、要望があったかどうかを含め当該情報を開示することはできませんので、ご了承ください。

 根拠: 北海道個人情報保護条例( 抜粋: 別紙のとおり)


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