農水省は6月23日、2014年度のミツバチ被害調査結果を、水田の農薬散布期を間近になりやっと公表した。発表によれば、報告があった被害は79件で、約3300箱でミツバチが死ぬ被害が出ているとしている。被害は、7月から9月の水稲開花期に、その約75%が集中し、ほとんどが農薬が原因と分析している。農水省は、こうした被害は蜂群崩壊症候群(CCD)はないと断定した。この調査は、養蜂家・養蜂業者から都道府県に報告があったものを集計しているため、報告漏れはカウントされていない。被害はさらに大きかった可能性がある。
遺伝子組み換え作物・食品に規制強化の動きを強くしているロシアは、GM作物栽培の全面禁止に動く模様だ。ロシアのドブロコビッチ副首相は6月19日、サンクトペテルスブルグ国際経済フォーラムの席上、ロシアの農業生産性向上に遺伝子組み換え技術を使わない、と表明したとインターファックスが伝えた。ドブロコビッチ副首相はまた、これによりロシアの農産物が「世界で最も清浄な物の一つだと」語ったという。
フランス国立農業研究所(INRA)の遺伝子組み換えヒツジが昨年8月、パリで売られて消費されていたことが明るみになった。このGMヒツジは、クラゲの緑色蛍光タンパク質の遺伝子を組み込んだもの。GM母ヒツジから生まれた子ヒツジを、不満をを持った職員が故意に流出させたという。昨年11月、内部告発で判明していた。
崩れる「安全」の根拠
フランスの民間研究グループCRIIGEN(クリージェン)は6月17日、遺伝子換え作物や化学物質の安全性試験に用いられるラットの飼料を分析した結果、そのほとんどが農薬やGM成分で汚染されている、とするカーン大学のセラリーニ教授らの新しい研究の概要を公表した。こうした汚染された飼料による試験では正しい結果を得ることができないと指摘している。近くPLOS ONEに発表されるという。
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