グリーンピース・ジャパンは4月19日、昨年年4月から今年4月18日までに集めた「子ども・ミツバチ保護法を求める署名」23,655筆を参議院農林水産委員会筆頭理事の小川勝也議員に提出した。賛同団体は、農業団体、生産者、養蜂家、幼稚園など25団体を数えた。この署名は、今後、厚労省や農水省へも提出するとしている。
グリーンピース・ジャパンは、世界的に規制強化に向かっているネオニコチノイド農薬を、日本でも規制を強化し、将来的には有機農業のような化学農薬に依存しない生態系農業へ向けて抜本的な見直しを求めるとしている。今回の署名をその契機としたいという。
厚労省は去る3月、新しいネオニコ系農薬のスルホキサフロルの登録作業をストップさせた。表向きには米国での登録取消を理由としているが、手続きの一つとして実施した意見公募で集まった537件の意見のほとんどが反対意見であったことも、登録保留の背景にあるようだ。
グリーンピース・ジャパンでは今後、国会議員に対して「子ども・ミツバチ保護法」制定へ向けた周知活動を強めたいとしている。
・グリーンピース・ジャパン, 2016-4-19● 消費者意識も脱農薬に向いている
署名と並行してグリーンピース・ジャパンは3月、「有機農産物と農薬に関する消費者意識調査」を実施し、その結果を発表した。1千人のアンケート調査では、いくつか興味深い結果となっている。
有機農産物と購入価格については、1、2割高くても有機農産物を購入するという回答が65%を数えた。
また、斑点米の原因となっているカメムシ防除にネオニコ系農薬が多く使われているが、「農薬をかけない方法があるなら、そういうお米でも選びたい」が47%、「茶碗1杯に2〜3粒混じっても農薬をかけない方がいい」が39%と、86%の人が農薬を使わない方を選択している。「見た目も大事で農薬をかけてもいい」は、わずか14%にとどまっている。
これまで、見た目重視で形のそろった野菜が求められてきた。そのためには、農薬も多く使われてきた。しかし、このアンケートでも、見た目重視派は1〜2割とごく少数となっている。消費者は、これまでのように、何にでも農薬をかけて見栄えを良くする必要を感じなくなってきているといえる。「見た目より安全」へと、消費者の意識も動いているようだ。
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