最終更新日:2016年05月20日
2016年
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 17年

2016年5月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031
最近の記事
2017.10.19 No.860
2017.10.17 No.859
2017.10.16 No.858
2016年5月の記事
2016.05.31 No.703
2016.05.28 No.702
2016.05.22 No.701
2016.05.21 No.700
2016.05.20 No.699
2016年4月の記事
2016.04.29 No.698
2016.04.26 No.697
2016.04.23 No.696
2016.04.19 No.695
2016.04.15 No.694
2016年5月

2016.05.20 No.699
[農薬]
■EU委員会 グリホサートの認可更新決定を先延ばし
 6月末に時間切れで失効の可能性
26979619191_efbc4f1a20_z.jpg
店頭のラウンドアップのラベル張替運動を展開 via Global Justice Now on Flickr

 EU委員会・植物・動物・食物・飼料常任委員会は5月19日、グリホサートの認可更新の決定に失敗した。3月の決定延期に続く「失敗」。次回の会合の予定は決まっていない。EU委員会は、通常15年の有効期間を9年に短縮して、認可の更新を提案していた。

 インデペンデント紙は19日、数週間のうちに欧州でグリホサートが禁止される方向と報じた。時間切れで、6月末にグリホサート(モンサントのラウンドアップの主成分)の認可期限が切れ、更新されない可能性がより強くなってきた。

 インデペンデントによれば、19か国が賛成したものの、6か国が棄権、ドイツ、フランス、イタリア3か国の反対し、特定多数決での賛成が得られないとみて、採決しなかったとしている。直前まで、ドイツは棄権と見られていたが、明確に反対を表明した模様。

 有効期限の6月末までに更新の決定ができなければグリホサートの認可は失効し、EU域内では6ヶ月の猶予期間をおいて使用が禁止される。ロイターはEU筋の話として、EU委員会は、この6ヶ月の猶予期間の停止を決定を望んでいるという。

 欧州議会内会派の欧州緑グループ・欧州自由同盟(Greens/EFA)は、決定延期はグリホサートの認可更新拒否に向けた動きであり、グリホサートの世界的な禁止に向かうべきとする声明を発表した。

 グリホサートの認可更新に反対してきたグリーンピースEUは、「サプライズではない。独立した科学者、欧州議会議員、欧州の市民の懸念を無視してきたEU委員会が方針を変える時だ」とするコメントを発表した。

 ロイターは、モンサントの広報が、EUの更新に関し法廷闘争も辞さないと語ったとも報じていて、先行きはまだはっきりしていない。しかし、EUのグリホサート取消であればモンサントには大きな痛手となることは確実で、バイエルによる買収がより現実味を帯びてくる。

 欧州ではグリホサート反対の声は大きく、EU域内7千人の意識調査では、グリホサート禁止への賛成は、イタリアで75%、ドイツで70%、フランスで60%にのぼり、更新に賛成している英国でも56%が禁止に賛成しているという。グリホサート反対の署名は140万を超えている。こうした声が事態を動かしている。欧州議会は4月13日、使用条件を厳しくし、通常15年の有効期間を7年に短縮する決議を採択していた。

 ・Greens/EFA, 2016-5-19  ・Greenpeace, 2016-5-19  ・Reuters, 2016-5-19  ・Independent, 2016-5-19

 ● 利益相反を指摘されたJMPR報告

 EU委員会での投票を前にした5月17日、絶妙のタイミングでFAO/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)が「グリホサートに発がん性はない」とする報告書を発表した。この見解は、昨年の国際がん研究機関(IARC)による「おそらく発がん性がある」という報告とは真逆のものであった。

 この報告書にはすぐさま、利益相反の指摘がなされた。JMPRの共同代表の所属する国際生命科学研究機構(ILSI)が、2012年、モンサントから50万ドル、農薬業界などからなるCloplife Internationalから約53万ドルの資金支援を受けていたと報じられた。英紙ガーディアンは、EUの投票を前にしての「発がん性がない」というJMPRの見解表明は、関係業界からすれば数十億ドルの価値があると報じた。

 ・Gaurdian, 2016-5-17

 ● フランス:EUとは関係なくグリホサート使用禁止へ

 フランスの厚生大臣マリソール・トゥリエールは、EU委員会の今週の投票に関わりなくグリホサートの禁止を決めると明言。トゥリエール大臣は、グリホサートが発がん物質であるかどうかは関係なく、内分泌かく乱物質であることがその理由だとした。

 フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は4月8日、モンサントのラウンドアップを含む、一部のグリホサート製剤を禁止する方針を決定したと報じられている。

 ・Agriland, 2016-5-18  ・Reuters, 2016-4-8
【関連記事】
カテゴリー
よく読まれている記事