最終更新日:2016年08月28日
2016年
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 17年

2016年8月
123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031
最近の記事
2017.11.19 No.865
2017.11.08 No.864
2017.10.27 No.863
2016年8月の記事
2016.08.31 No.737
2016.08.30 No.736
2016.08.29 No.735
2016.08.28 No.734
2016.08.26 No.733
2016.08.22 No.732
2016.08.20 No.731
2016.08.19 No.730
2016.08.17 No.729
2016.08.16 No.728
2016.08.15 No.727
2016.08.14 No.726
2016.08.13 No.725
2016.08.12 No.724
2016.08.11 No.723
2016.08.09 No.722
2016.08.06 No.721
2016.08.05 No.720
2016.08.03 No.719
2016年7月の記事
2016.07.31 No.718
2016.07.30 No.717
2016.07.27 No.716
2016.07.17 No.715
2016.07.13 No.714
2016.07.09 No.713
2016.07.08 No.712
2016.07.07 No.711
2016年6月の記事
2016.06.30 No.710
2016.06.23 No.709
2016.06.21 No.708
2016.06.18 No.707
2016.06.17 No.706
2016.06.07 No.705
2016.06.01 No.704
2016年8月

2016.08.28 No.734
■米国FDA オキシテックGM蚊にゴーサイン
cotton_india.jpg on Flickr
ネッタイシマカ / Sanofi Pasteur on Flickr

 米国食品医薬品局(FDA)は8月5日、オキシテック社の遺伝子組み換え蚊の放飼による環境への影響はないとする環境影響評価を公表した。これによりフロリダ州キーズで計画されている、デング熱対策の遺伝子組み換え蚊の試験的な放飼は一歩進んだと報じられている。しかし、11月8日の大統領選挙に合わせて実施される住民投票で、この遺伝子組み換え蚊の放飼に賛成が得られるか注目されている。キーズで放飼の反対運動を続けてきたフロリダ・キーズ環境連合のバリー・レイ代表は、「地元民は、遺伝子組み換え蚊の放飼を望んではいない。投票結果に従うべきだ」としている。

 この住民投票の効力について、オキシテック社のCEOハディン・パリ―氏は、住民投票の結果にかかわらず、フロリダ・キーズ・蚊管理地区が賛成すれば放飼は可能だとしている。

 ・FDA, 2016-8-5  ・Oxitec, 2016-8-5  ・Reuters, 201-6-8-5

 米国FDAは3月、今回の環境影響評価の決定に先立ち、この遺伝子組み換え蚊の放飼による人や環境への影響はないとする環境影響評価書を公表した。この環境アセスには、25万人余りの市民が反対の意見を提出したという。

 FDAの決定に対して、この放飼に反対してきたフロリダ・キーズ環境連合や食品安全センターなどは8月9日、FDAはボルバキア・バクテリアに感染させた蚊の放飼を含むあらゆる方法を比較検討すべきだ、とする声明を発表した。

 声明で、フロリダ・キーズ環境連合のバリー・レイ代表は、「住民は遺伝子組み換え蚊の放飼を望んではいない。フロリダ・キーズ・蚊管理地区が住民投票の結果に従う義務がないのは、民主主義としてあってはならない」と指摘した。フード&ウォーター・ウォッチは「環境と生態系への影響について、FDAは怠慢で許しがたい。多くの反対を無視して試験放飼をやりたがっている」と断じた。

 食品安全センターは、完全な環境影響評価を怠ったFDAに対して、訴訟の可能性を検討していると述べた。

 ・Center for Food Safety, 2016-8-9

 キーズでの住民投票の結果が注目される。フロリダ州では、ジカ熱の感染が確認されているが、このことがどのような影響を及ぼすかは分からない。

 オキシテック社の遺伝子組み換え蚊は、抗生物質のテトラサイクリンがないと生きられないようにしたオスの蚊を放飼し、次世代の蚊を撲滅させるというものだが、完全に絶滅はできないとみられている。これまでに、ケイマン諸島やパナマ、ブラジルで試験的な放飼を行っている。ブラジルには週50万匹の遺伝子組み換え蚊の生産設備を設置しているという。

 この遺伝子組み換え蚊の放飼は予期せぬ環境影響が懸念される一方で、生息数を減少させる効果があるボルバキア・バクテリアに感染させた蚊の放飼による方法が、より環境影響は少ないとみられている。中国や米国カリフォルニア州では、定期的なボルバキア感染蚊の放飼が行われている。シンガポールでも今年10月から、試験的なボルバキア感染蚊の放飼を行うと発表している。

 世界保健機関(WHO)は3月18日、ジカ熱対策として新たに2つの推奨する方法を発表した。1つはウイルスの拡散を減少させるボルバキア・バクテリアの利用であり、2つには蚊の生息数を減少させるというオキシテック社の遺伝子組換え蚊の放飼をあげていた。

 ・WHO, 2016-3-18

 デング熱のような感染症対策であったとしても、環境への影響は最小限にとどめるべきだ。ボルバキア・バクテリアによるネッタイシマカへの感染と生殖支配は、自然界で起きていることであり、環境への影響が不明で人為的な、遺伝子組み換え蚊の放飼は避けるべきだ。


カテゴリー
よく読まれている記事