最終更新日:2016年11月23日
2016年
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 16年
 17年 18年 19年

20116年11月
12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031
最近の記事
2022.12.29 No.1152
2022.12.25 No.1151
2022.11.30 No.1150
2016年11月の記事
2016.11.30 No.751
2016.11.29 No.750
2016.11.28 No.749
2016.11.23 No.748
2016.11.17 No.747
2016.11.16 No.746
2016年10月の記事
2016.10.01 No.745
2016年9月の記事
2016.09.16 No.744
2016.09.14 No.743
2016.09.14 No.742
2016.09.12 No.741
2016.09.11 No.740
2016.09.07 No.739
2016.09.03 No.738
2016年11月

2016.11.23 No.748
■欧州司法裁判所 農薬評価データの全面開示を認める決定
26979619191_efbc4f1a20_z.jpg
店頭のラウンドアップのラベル張替運動を展開 / Global Justice Now / Flickr

 欧州司法裁判所は11月23日、農薬の安全性評価に関して、申請企業の提出した評価データは公表されなければならないとする、画期的な決定を下したと、グリーンピースが伝えた。

 グリーンピースによれば、農薬の安全性に関わるデータは、EUも批准しているオーフス条約(「環境に関する、情報へのアクセス、意思決定における市民参加、司法へのアクセスに関する条約」)に規定する「環境への放出に関する情報」に該当するとしている。決定は、承認機関が危険性を評価する全てのデータを開示しなくてはならず、企業秘密は保護できないとしているという。

 昨年3月の国際がん研究機関(IARC)は、グリホサートが「おそらく発がん性がある」とする見解を公表した。一方、欧州食品安全機関などは一斉にIARCの見解を否定し、大きな問題となっていた。その中で、欧州企業監視所(Corporate Europe Observatory:CEO)は昨年12月、グリホサートに関する欧州食品安全機関の評価データの開示を要求していた。これに対し欧州食品安全機関は今年9月、これまで非公開であった評価データの開示を認める方針を明らかにした。

 これと並行してグリーンピースや欧州農薬行動ネットワーク(PAN)、欧州企業監視所など8団体は今年4月、欧州食品安全機関に対してグリホサートの評価データを開示を求める要請書を送っていた。

 この欧州司法裁判所の決定が最終的に確定すれば、欧州食品安全機関は全ての農薬評価データの公開を迫られることになる。公開が現実となれば、そのデータ自体はもとより評価の妥当性が検討可能となる。画期的な決定であり、欧州における環境団体の大きな勝利といえる。欧州食品安全機関が評価データを公開すれば、世界的な影響はとても大きく、日本の農薬行政にも大きな影響を与えることは確実だ。

 ・Greenpeace, 2016-11-23  ・Greenpeaceなど, 2016-4-11
【関連記事】
カテゴリー
よく読まれている記事