台湾の食品藥物管理署は5月26日、2015年度のエンバク(オート麦)製品の買い上げ検査結果を公表し、36製品中10製品から残留基準(0.1ppm)を超えるグリホサートが検出され、最も高いものは 1.18ppmだったと発表した。基準値超えの10製品の中には、日本でも販売されているクエーカーオーツのオートミール4製品が含まれている。
米国メリーランド州はこのほど、あらゆる種類のネオニコチノイド系農薬の農業用を除く屋外使用を規制するポリネーター(受粉媒介生物)保護法を可決し、知事も異議を唱えず州法として成立したという。この州法は、個人による購入禁止禁止と屋外使用の禁止に限定しているとはいえ、米国で初のネオニコ系農薬規制となる。
毎年10%近い成長
米国オーガニック・トレード協会(OTA)は19日、年次報告書を公表し、2015年度の米国の有機製品の売上が、前年の391億ドルから42億ドル増の433億ドルに達したと発表した。
アフリカ西海岸に位置し、綿が主要な輸出向け農産品であるブルキナファソは今年1月、害虫抵抗性(Bt)遺伝子組み換えワタの栽培から段階的な撤退を決定した。2009年に商業栽培を開始したが、GMワタの品質が悪いことが理由だという。ブルキナファソは、アフリカでは数少ない遺伝子組み換え作物の商業栽培国の一つである。
EUや米国などで徐々にではあるが、ネオニコチノイド系農薬に対する規制が強まっている。2013年12月、EUはイミダクロプリドなど3種類について、ミツバチへの毒性などを理由として一時的な使用禁止に踏み切っている。同じ浸透性農薬のフィプロニルについても13年12月末から使用を禁止した。
6月末に時間切れで失効の可能性
EU委員会・植物・動物・食物・飼料常任委員会は5月19日、グリホサートの認可更新の決定に失敗した。3月の決定延期に続く「失敗」。次回の会合の予定は決まっていない。EU委員会は、通常15年の有効期間を9年に短縮して、認可の更新を提案していた。
インデペンデント紙は19日、数週間のうちに欧州でグリホサートが禁止される方向と報じた。時間切れで、6月末にグリホサート(モンサントのラウンドアップの主成分)の認可期限が切れ、更新されない可能性がより強くなってきた。
カナダ保健省は5月19日、アクア・バウンティの開発した遺伝子組み換えサケは、ヒトに対して「安全」であり、他の養殖サケと同じだ、として承認したと発表した。昨年11月の米国FDAの承認に続くもので、カナダとしては初めてのGM動物となる。米国は承認したものの、まだ輸入を認めてはいない。
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