最終更新日:2017年1月21日
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2017.01.21 No.755
■モンサント・バイエル 買収承認で80億ドル投資を「約束」か トランプとトップ会談

 昨年9月、660億ドルでモンサントがバイエルに買収されることで合意したが、この買収は米国の反トラスト法による審査を受けている。両社のトップは先週、トランプと彼の政権移行チームと会談し、買収が承認されるのと引き換えに80億ドルの投資を約束したという。モンサントは1月17日、声明を発表し「非常に実りの多い会議」だったとしている。

 報道によれば、セントルイスの研究所はそのまま残し、9千人の雇用を維持し、新たに3千人の雇用を生み出すとしている。モンサントが一時は、本社機能を欧州への移転をほのめかしていたことを考えると、トランプの前に跪いた形といえるだろう。

 このトップ会談で買収承認が現実味を帯びてきたようにもみえる。モンサントの声明を受けて全米農民組合は1月17日、買収承認が競争を減らし、資材コストがアップへの懸念を述べ、買収反対を改めて強調する声明を出した。

 ・Monsanto, 2017-1-17  ・Chem.info, 2017-1-20  ・National Farmers Union, 2017-1-17
2013_share_pesticide_seed_s.jpg
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 バイエルによるモンサント買収によりシェアは、農薬部門で26%、種子部門で29%と寡占化がより進行する。この買収の関係国は30か国に及び、特にEUの独禁審査が厳しくなる模様。EUの審査では、中国化工によるシンジェンタ買収、デュポンとダウの合併について、まだ結論は出ていない。長期化の見通しすら出ている。バイエルとモンサントは、17年末までに買収を完了としていた。バイエルのモンサント買収については、そのものの否認、あるいは企業分割や特定分野の切り離しなど、まだ着地点は見えていない。

 全米農民組合が懸念するように、寡占化の進行により種子(品種)の選択肢が狭まり、資材価格の上昇を招くなど悪影響しかもたらさないことは確かだ。

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