最終更新日:2017年1月30日
2017年

8月
9月
10月
11月
12月

 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 16年

2017年1月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031
最近の記事
2017.07.21 No.837
2017.07.20 No.836
2017.07.18 No.835
2017年1月の記事
2017.01.30 No.758
2017.01.26 No.757
2017.01.25 No.756
2017.01.21 No.755
2017.01.20 No.754
2017.01.19 No.753
2016年12月の記事
2016.12.01 No.752
2016年11月の記事
2016.11.30 No.751
2016.11.29 No.750
2016.11.28 No.749
2016.11.23 No.748
2016.11.17 No.747
2016.11.16 No.746
2017年1月

2017.01.30 No.758
■大規模モノカルチャーそのものが生物多様性を壊す
Hamster.jpg
hamster / katanski / Wikimedia

 西ヨーロッパで個体数が減少し絶滅が危惧されているヨーロッパ・ハムスター(クロハラハムスター)を用いた研究で、農業の単一栽培(モノカルチャー)そのものが野生動物減少の原因だとする研究が発表された。

 ストラスブール大学(フランス)の研究チームは、主にトウモロコシをエサとした雌ハムスターが仔を生きたまま食べてしまうことが生じ、原因はビタミンB3とトリプトファンの欠乏だったとする論文を英国王立協会紀要に発表した。アマゾンの熱帯雨林地域などで行われているような大規模単一栽培を目的とした森林伐採や、環境変化、使用される農薬などが野生生物減少の原因とされてきたが、研究チームは、単一栽培そのものに問題があるとしている。単一栽培の農地では、野生動物がのえさ限定されることによリ個体数を減少させ、生物多様性に悪影響を与えていると警告している。

 研究によれば、主にトウモロコシをエサとしたグループで雌が仔を食べてしまい、離乳まで育ったのは5%だった。一方、小麦を主体のエサを与えた対照グループではそうした仔食いは起きず、8割が離乳したとしている。原因はビタミンB3とトリプトファンの欠乏によるもので、ビタミンB3を添加したトウモロコシ主体のエサでは起きなかったとしている。

 研究チームは、大規模モノカルチャーの農地に生育する野生動物が、多様なエサを採ることができなくなり、生物多様性減少の原因の一つとなっているとしている。これまでは、野生生物減少の原因として農薬などがあげられていたが、大規模単一栽培そのものが野生動物減少させているとして、具体的な行動が必要だと警告している。

 このハムスターの実験で起きたようなトウモロコシ主体の食事による健康障害は、ヒトのナイアシン欠乏症として知られている症状と同じだという。メキシコのトルティーヤの調理法のように、適切な調理をすれば避けられるという。

 ・Proceedings of the Royal Society B, 2017-1-18  ・AFP, 2017-1-28