
カリフォルニア州環境保健有害性評価局(OEHHA:Office of Environmental Health Hazard Assessment)は3月28日、モンサントの除草剤ラウンドアップの主成分グリホサートについて、同州の「プロポジション65」の発がん性物質リストに登載すると発表した。この措置は、2015年3月の国際がん研究機関(IARC)の「おそらく発がん性がある」とする分類に沿うもので、カリフォルニア州地方裁判所で先ごろ、リスト登載の禁止を求めるモンサントの訴えが棄却されたことを受けた措置。
カリフォルニア州の措置は、公的機関がグリホサートの発がん性を認めて使用者や消費者に向けて注意文言を要求することで、世界でも始めてのケースだという。公表された研究結果だけで評価して「おそらく発がん性がある」との分類を公表以来、国際がん研究機関は、モンサントなどの農薬メーカーや各国の規制機関の非難を浴びてきた。そうした状況にあって、州レベルの措置としても画期的なことといえる。
OEHHAは2015年9月、国際がん研究機関の分類にしたがって、グリホサートを「プロポジション65」の発がん性物質としてリストしようとして意見公募を行った。これに対してモンサントは2016年1月、グリホサートが発がん性物質としてリストされないよう、OEHHAを相手取ってカリフォルニア州地裁に提訴。地裁は2017年1月、リストへの登載をOEHHAに認める仮決定を下していた。地裁は3月10日、リストへの登載を認める判決を下した。モンサントは同州控訴裁判所へ控訴したが、OEHHAは、地裁の判決を受けて、4月7日付けでリストへの登載を決めた。
カリフォルニア州の「プロポジション65」は、飲料水の水源へ有害な化学物質の混入防止と、人に対して有害な化学物質の暴露防止を目的に、1986年11月に施行された。リストに登載されると、カリフォルニア州で販売する際に使用者や消費者に対して、明確で妥当な警告を与えることが義務付けられている。ラウンドアップなどグリホサートを含む製品には、注意文言が必須となる。
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