最終更新日:2017年4月29日
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2017.04.29 No.796
■遺伝子組み換えサケ:カナダで養殖プラント建設を申請
Atlantic_Salmon_s.jpg
Atlantic Salmon / Hans-Petter Fjeld / Wikimedia

 カナダ・バイオテクノロジー行動ネットワーク(CBAN)は4月25日、「成長の早い」遺伝子組み換えサケの商業化を目論んできたアクアバウンティ社がカナダ東南部のプリンス・エドワード島で世界初の遺伝子組み換え魚の養殖プラントを建設しようとしていると伝えた。

 CBANによれば、アクアバウンティはこのほど、プリンス・エドワード・アイランド州に対して、年産250トンの遺伝子組み換えサケの養殖プラント建設申請書を提出したという。アクアバウンティはこれまで、プリンス・エドワード島の孵化プラントで生産した遺伝子組み換えサケをパナマの施設で養殖し出荷するとしていたが、パナマでの商業生産の許可はまだ下りていない。今回明らかになったカナダでのプラント建設計画は、これまでの方針を大きく変えたことになる。

 ・Canadian Biotechnology Action Network, 2017-4-26

新たに環境影響評価を求める

 カナダのCBCによれば、アクアバウンティは昨年、プリンス・エドワード島で新設する閉鎖施設による、遺伝子組み換えでないアトランティック・サーモンの養殖を計画し、連邦政府による環境影響評価をクリアしたという。今回、同社は遺伝子組み換えサケの養殖に方針を転換した。

 プリンス・エドワード島サーモン協議会はこのアクアバウンティの方針転換に、連邦政府は新たに環境影響評価をやり直す必要があるとしている。しかし、環境影響評価をやり直しについて州環境省は、連邦政府からの返答を待っているとして、まだはっきりしていないという。アクアバウンティは2013年、プリンス・エドワード島の施設における遺伝子組み換えサケの卵の生産の承認を得ている。

 ・CBC, 2017-4-26

増大する環境リスク

 アクアバウンティの遺伝子組み換えサケは不妊だとされているが、他のサケと交雑の可能性があると指摘されている。この遺伝子組み換えサケが海に逃げ出した場合、天然のサケは十数代で絶滅すると試算されている程に、環境への影響は大きいと見られている。こうした懸念にアクアバウンティは、パナマの山中に設置した施設で養殖するため環境影響は生じないと、批判をかわしてきた。しかし、北大西洋に面したプリンス・エドワード島での養殖は、物理的な封じ込めに失敗した場合を考慮すると、環境リスクはより厳しいものになる。

 パナマの養殖施設については2013年、英国のガーディアン紙が映像とともに報じている。その映像を観る限り、厳しい管理下にあるようには見えない。

 ・Guardian, 2013-4-24

米国では不使用宣言も 流通は先行き不透明

 アクアバウンティの遺伝子組み換えサケは、米国とカナダで食品として安全であると承認されている。に米国食品医薬品局(FDA)が2015年11月に、カナダ保健省は2016年6月に承認している。FDAは承認にあたり、この遺伝子組み換えサケの物理的封じ込め措置は十分であると判断できるとしたが、米国内での養殖を認めていない。

 これまでに米国では、遺伝子組み換えサケの不買運動が展開され、約9千の食料品店やレストランなどが取り扱わないことを宣言している。セーフウェイ、クローガーなどの一部の大手食品チェーンも、遺伝子組み換えサケの販売はしないと明言している。米国消費者の遺伝子組み換え食品離れが顕著になっている状況で、どのように流通するのか不透明だ。

 日本での承認申請はまだないが、米国やカナダで流通が始まれば、加工品などに混じって輸入され、流通する可能性がありそうだ。

◆アクアバウンティ社について
 遺伝子組み換えサケを開発したアクアバウンティは2013年、米国のバイオ企業イントレクソン社に買収されている。イントレクソンは、遺伝子組み換えリンゴを開発したオカナガン社、遺伝子組み換え昆虫開発のオキシテック社(英)も買収している。

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