最終更新日:2017年5月4日
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2017.05.04 No.800
■ネオニコ系農薬 マルハナバチの生殖能力に影響
Bumblebee_17219339630_s.jpg / Flickr
Bumblebee / Christian R. Hamacher / Flickr

 ロンドン大学などの研究チームは5月3日、ネオニコチノイド系農薬のチアメトキサムが、マルハナバチの女王バチの生殖能力に影響しているとする研究結果を英国王立協会紀要(電子版)に発表した。実験は、4種類のマルハナバチの女王バチを使って行われたもので、自然で曝されると想定される高濃度のチアメトキサムを含む餌を与えられた場合、卵母細胞の平均的な長さが減少し、産卵した卵のサイズが小さくなったという。卵巣発育の悪化は、コロニーの成長を妨げ、生息数の減少を示唆するという。マルハナバチは、牧草のクローバーの重要な受粉媒介昆虫(送粉者)の一つ。

 マルハナバチは女王バチのみが越冬する。前年にオスバチと交尾した女王バチが土の中などで越冬し、翌春単独でコロニーを作り始める。研究では、春先の冬眠から覚めたマルハナバチの女王バチ500匹を集め、チアメトキサムを含むシロップを与え、春にマルハナバチがコロニーを作る最初の段階での影響を調べた。その結果、チアメトキサムを与えられたグループの産卵した卵のサイズが、小さくなったとしている。このことは、コロニーの成長を妨げるという。

 研究はまた、実験に使った4種類のマルハナバチのうち2種類では、高濃度のチアメトキサムに2週間曝露すると摂食量が減少し、種に特異的な毒性効果が示唆されたとしている。摂食量の減少は、女王バチが産卵し幼虫を養う力がなくなる可能性があるとしている。

 研究チームは、ミツバチ類での種によって農薬への感度の違いがあるが、農薬リスク評価では考慮されていないと指摘し、優先的な研究課題だとしている。

 チアメトキサムは、2013年にEU委員会が一時的使用禁止としたネオニコチノイド系農薬の一つである。

 ・Proceedings of the Royal Society B, 2017-5-3  ・University of Guelph, 2017-5-3  ・BBC, 2017-5-3

 英国では先ごろ、英国環境・食料・農村地域省が、全英農業者連盟が申請した2種類のネオニコチノイド系農薬の緊急使用申請を却下したが、申請の農薬の一つがチアメトキサム(商品名クルーザーOSR)だった。全英農業者連盟は、ナタネの葉を食害するノミハムシの防除に必要だとして3年連続で緊急使用を申請していた。マルハナバチはナタネの訪花昆虫の一つといわれている。

 作物の受粉を媒介するマルハナバチやミツバチなど送粉者に対するネオニコチノイド系農薬の影響に関する研究が進んでいる。

 チアメトキサムによるミツバチへの影響に関しては、汚染された花粉を与えられたオスの精子が39%減少するという、ベルン大学の研究チームの研究結果が昨年、同じ英国王立協会紀要に発表されている。

 ・Proceedings of the Royal Society B, 2016-7-27

 米国カリフォルニア・サンディエゴ大学などの研究チームは先月、チアメトキサムの致死量以下の長期曝露が、ミツバチの飛行能力を損ない、巣に戻れなくなる可能性があるとする研究結果をサイエンティフィック・リポーツ(電子版)に発表している。チアメトキサムに曝されることにより、ミツバチの飛ぶ距離と時間がほぼ半減し、速度も7%落ちたという。

 ・Scientific Reports, 2017-4-26

 マルハナバチは受粉媒介する送粉者の一つであり、、個体数の減少が危惧されている。米国では先ごろ、マルハナバチの一種のラスティーパッチド・バンブルビー)が20年間で87%減少し絶滅危惧種に指定された。

 ・U.S. Fish and Wildlife Service, 2017-1-10

 チアメトキサムはシンジェンタが開発したネオニコチノイド系農薬の一つで、日本では2001年に農薬登録されている。2015年の出荷量は470トン。

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