農水省と環境省は5月31日、新たに10品種のペチュニアが未承認の遺伝子組み換え品種であったと発表した。すでに見つかっているタキイ種苗の4品種とあわせて14品種となった。新たに見つかったのは、サカタのタネで4品種、ゲブラナガトヨで6品種であり、今年販売済みは計約12万鉢だとしている。この未承認遺伝子組み換えペチュニアは、4月にフィンランドで見つかり、その後英国や米国などでも見つかっている。日本では5月10日、タキイ種苗の販売したペチュニア4品種が汚染されている、と発表されていた。
農水省の発表によれば、今回新たに追加された未承認遺伝子組み換えペチュニアは、サカタのタネの自主検査で見つかったとし、同社へペチュニアを納入していた後藤花園とゲブラナガトヨの2社についても立入検査を実施したとしている。
原因としては、これらのペチュニアの育成過程で遺伝子組み換え技術を用いていないが、育成に用いた品種の中に遺伝子組み換え品種があった可能性が高いと考えられるとしている。農水省は、販売された10品種の写真とともに、海外で見つかっている未承認ペチュニアのリストを公開した。
・農水省, 2017-5-31農水省は、個人向けに「ご家庭でペチュニアを栽培されている方へ」を発表し、これらの未承認品種の種苗を所有している場合、新たな栽培や採種、交配をせずに回収に協力するよう呼びかけている。
・農水省, 2017-5-31サカタのタネは5月31日、未承認遺伝子組み換えペチュニアで汚染が確認された4品種5銘柄と、可能性のある1品種の会衆を発表した。サカタのタネのよれば、これらの品種は同社が開発したものではなく、苗を仕入れて自社ブランドで販売しているものだとしている。同社はまた、遺伝子組み換え技術を使った市販品種の開発は行っていないともしている。
・サカタのタネ, 2017-5-31こうした未承認品種の遺伝子組み換え汚染は、果たしてペチュニアだけなのか。タキイ種苗の説明では、欧州で入手した株が汚染されているとは知らずに交配に使っていたという。どこから流出したものか、そのルートは全く明らかになっていない。氷山の一角ということにはならないのか、広くチェックすることが必要だろう。
【関連記事】- ネオニコ系国内出荷量 21年度3.8%増 第二世代は63%増
- 有機農業は排外主義に与しない 参政党に反対する農民と市民が声明
- 冊子『スルホキサフロル 新しいネオニコチノイド系農薬』刊行のお知らせ
- ネオニコ系イミダクロプリド 自閉スペクトラム症様の視知覚障害を引き起こす
- 厚労省:グリホサートの残留基準値を大幅緩和を告示
- メキシコ GMトウモロコシ栽培を禁止 24年までに輸入も段階的に禁止
- 東アジアは農薬のホットスポット 日本はトップ5
- 農薬再評価 ネオニコとグリホサートなど優先14品目を告示
- 米国産ジャガイモ 輸入規制緩和 ポストハーベストも認める
- 輸入小麦の残留グリホサート 豪州産の検出率急増