カリフォルニア州環境保健有害性評価局(OEHHA:Office of Environmental Health Hazard Assessment)は6月26日、グリホサートについて、7月7日付で同州の「プロポジション65」の発がん性物質リストに登載すると発表した。これによりグリホサートを含む農薬などは、使用者や消費者に向けて注意文言必要となる。こうしたグリホサートに関する公的機関による発がん性の認定や注意表示は、おそらく世界でも始めてのケースだという。
カリフォルニア州環境保健有害性評価局の決定は、2015年3月に世界保健機構(WHO)の国際がん研究機関(IARC)が、グリホサートを「おそらく発がん性がある」と分類したことを受けた措置。グリホサートは、モンサントの除草剤ラウンドアップの主成分であり、世界で最も売れている除草剤ともいわれている。
このリスト登載に反対したモンサントは2016年1月、リストに登載しないよう求めて提訴していたが、今年1月、カリフォルニア州地裁所はこの3月、リストへの登載を認める判決を下した。モンサントは同州控訴裁判所へ控訴したが、OEHHAは、地裁の判決を受けて、4月7日付けでリストへの登載を決め公告していた。
ロイターなどによれば、この決定に対してモンサントは、決定が「科学と法律に基づいて正当化されない」とし「最後まで戦う」と言明したという。
カリフォルニア州の「プロポジション65」は、飲料水の水源へ有害な化学物質の混入防止と、人に対して有害な化学物質の暴露防止を目的に、1986年11月に施行された。リストに登載されると、カリフォルニア州で販売する際に使用者や消費者に対して、明確で妥当な警告を与えることが義務付けられている。ラウンドアップなどグリホサートを含む製品には、注意文言が必須になるという。
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