最終更新日:2017年7月12日
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2017.07.12 No.832
■住友化学 米種子から販売まで 直播でクボタと共同研究 始まっている企業による農業「囲い込み」
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 農薬メーカーの住友化学と農機のクボタは7月11日、コメの低コスト生産について共同実証研究を始めたと発表した。住友化学が同社の「コシヒカリつくばSD1号」の種子を提供し、クボタが鉄コーティング機と直播機で直播。住友化学の農薬と肥料を使って栽培し、収穫したコメは住友化学が販売するというもの。クボタが運営のクボタファームで実施しデータを蓄積するとしている。両社は、将来的にはコメの輸出とともに、自動機や農業資材を含めた栽培体系を農家に提案し普及につなげるとしている。種子供給から販売までを一貫して押さえる、JAに替わる企業による農業の「囲い込み」が始まっているといえるだろう。

 ・住友化学, 2017-7-11

 住友化学は2014年、、(株)植物ゲノムセンターから品種登録3品種を含むコメ品種(既登録品種3種を含む)や関連資産を取得しコメ事業に参入した。これにより、農業生産法人などの生産委託先にコメの種子、農薬、肥料を供給し、収穫されたコメの販売までを住友化学が一貫して行うというもの。住友化学の投資家向け資料によればその取扱量は、2015年に900トン、2016年には3000トンであり、2020年には6万トンを目標としてあげている。農業協同組合新聞によれば、貫和之執行役員アグロ事業部長(当時)は「数年内に1万ヘクタール100億円を目標に取り組み、地域を超えたブランドづくりをしていきたい」と述べたという。

 農水省の2016年度の速報値によれば、住友化学が取得したコシヒカリつくばSD1号は、山形、福島、茨城など6県で約1400トンが生産されている。

 ・住友化学, 2017-6  ・農業共同新聞, 2014-9-2  ・農水省, 2017-4-25

 住友化学の一連の動きは、大規模栽培を前提としたものであり、株式会社の農地取得と連動したものといえるだろう。秋田県大潟村のような大規模水田がターゲットとして展開されるのではないか。

 住友化学が植物ゲノムセンターより取得した登録品種は、コシヒカリ系の短稈・多収で食味の良い中生種であるコシヒカリつくばSD1号、晩生種のコシヒカリつくばHD1号、低アミロース米のつくばSD2号の3品種。品種登録された品種の育成者権は最長25年間保護され、特許による20年より長い。

 住友化学は今年3月、新たなコメの品種コシヒカリつくばSDHDが登録され、同社の登録品種は4品種となった。

 ・農水省

 品種登録制度によるコメの登録出願は1981年以降、これまでに約950品種に及ぶ。その約6割が都道府県の研究機関であり、国の研究機関や大学などによるものが約2割と公的機関による登録は約8割に達している。一方、共同出願も含め企業による出願は約1割と少ない。しかし今後は、主要農産物種子法の廃止により、企業による品種登録が増えていくのではないか。種子と農薬をセットで売るというモデルは、モンサントをはじめとする遺伝子組み換え企業が、世界的に展開してきた形態でもある。

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イネの品種登録出願状況