日本でも数少ないCSA農場の「なないろばたけ農場」(神奈川県大和市)が、消費者が参加し有機で小麦と大麦を栽培する麦畑トラストの参加者を募集している。遺伝子組み換えでないNon−GM大豆を自分たちの手で作ろうという大豆トラストは各地で行われているが、小麦や大麦のトラストは珍しい。小麦が12%、大麦・はだか麦が9%と麦類の自給率は低い。一般的に輸入小麦には、収穫前に除草剤が散布されたり、輸送や保管のために殺虫剤などの農薬(ポストハーベスト=収穫後農薬)が使われている。この麦畑トラストでは、有機の小麦や大麦が入手できる上に農作業も体験できる。こうしたトラストは注目されてもよい取り組みだ。
なないろ畑は数年前から、大豆トラストと並行して、地域の女性グループが参加した小麦トラストを行ってきた。今年の春には、トラストの大豆と大麦を使った味噌作りのワークショップも開催している。
今年の麦畑トラストで栽培する麦は、普通はあまり購入できないパン用小麦のユメシホウと、もち性の二条裸麦のキラリモチの二つ。収穫した大麦は、丸麦にして米に混ぜて炊いたり、炒って麦茶にもできる。
ニシノカオリより製パン性に優れ、パン類の他、ピザ生地や中華麺にも利用できる。(農研機構)
もち性であるため食味が優れ、機能性成分のβ-グルカン(水溶性食物繊維)がうるち性品種よりも1.5倍程度多く含まれます。ポリフェノールの一種プロアントシアニジンをほとんど含まないため、炊飯など加熱調理後も褐変しにくい特長もあります。(農研機構)
大麦を麦畑トラストに加えたことについて、なないろ畑農場の片柳義春さんは、「米国などでは小麦グルテンのへい害に対して、グルテンを含まない大麦などの雑穀が見直されている。それに大麦は、製粉することなく食べられるところがよい」という。
なないろ畑の麦畑トラストは、10坪を一口として、一口あたりの参加費は4千円で、10キロの収穫を目標としている。畑を耕したり、コンバインを使った収穫など機械を要する作業は農場でやり、トラスト参加者は種を播いたり、麦踏や除草を行うという仕組みだ。ほぼ2週間に1回の作業がある。
この麦畑トラストでは、収量が天候などに左右されることもあり、目標収量を保証するものでない。片柳さんは「収穫した麦は全量あなたのもです。当然、出来不出来があります。農場は特に収穫量を補償するモノではありません。収穫量を決めるのはあなたの努力と天候です」という。
麦畑トラストの参加条件には麦踏や除草の作業も含まれているので、3〜5区画をグループでやって欲しいという。
11月/中 種まき
12月/下 1回目の麦踏と除草
1月/中 2回目の麦踏
1月/末 3回目の麦踏
2月/中 4回目の麦踏
2月/末 5回目の麦踏
3月/上 土入れと除草
5月/中 防鳥用のテグス張り
5月/下 収穫
メール:info@nanairobatake.com
電 話:046−283−0339
(火・木・土 9時から15時)
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