西ヨーロッパで個体数が減少し絶滅が危惧されているヨーロッパ・ハムスター(クロハラハムスター)の研究で、農業の単一栽培(モノカルチャー)そのものが野生動物減少の原因だとする研究が発表された。
GMトウモロコシ栽培を承認せず
EU委員会の動植物・食品・飼料常任委員会は1月27日、遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの栽培認可延長と、新たな2品種の栽培承認について加盟国の投票を行い、いずれも承認に必要な特定多数に達せず承認されなかった。この2つの承認案件が必要な賛成票を獲得できなかった背景には、欧州での遺伝子組み換え作物栽培への市民の強い反対がある。
2月から試験販売
リンゴの切り口を放置すれば、酸化して褐色に変色するのが普通だが、3週間たっても切り口が褐色に変色しないリンゴがある。このリンゴは、遺伝子組み換え果実開発のベンチャー企業オカナガン社(カナダ)が開発した遺伝子組み換え(GM)のリンゴだ。このGMリンゴが、明確な「遺伝子組み換え」の表示のなしに、来月から米国の小売店で売られることが明らかになった。
米国小売大手のコストコは昨年12月、コストコで取り扱う「植物」へのネオニコチノイド農薬の使用を止めさせると発表した。コストコは、ミツバチや他の受粉を媒介するポリネーターの増加と持続性を支援するようコミットする、とHP上で秘かに発表していた。
国立台湾師範大学の呉教授らの研究チームは昨年、低濃度のイミダクロプリドがコウモリの脳の海馬を損傷し、空間認識能力を損なうという研究結果を専門誌に発表した。ネオニコ系農薬によるコウモリへの影響を確認した初めての研究だという。
昨年9月、660億ドルでモンサントがバイエルに買収されることで合意したが、この買収は米国の反トラスト法による審査を受けている。両社のトップは先週、トランプと彼の政権移行チームと会談し、買収が承認されるのと引き換えに80億ドルの投資を約束したという。モンサントは1月17日、声明を発表し「非常に実りの多い会議」だったとしている。
三井物産は1月6日、モンサントの一部の農薬事業を100億円で買収すると発表した。モンサントが欧州を中心に販売している麦用の種子殺菌剤「ラティテュード」の商標、販売権、各国での登録、登録データ、製造ノウハウ(製造プロセスに関わる特許)を買収し、オランダとドイツの現地法人を通して販売するという。また、この買収を1月末までに完了させるとしている。
害虫抵抗性遺伝子組み換えナスの商業栽培が始まっているバングラデシュで、バングラデシュ農業研究所(BARI)はこのほど、遺伝子組み換えの葉枯病耐性ジャガイモの開発を終え、政府に対して商業栽培の承認申請を行ったという。BARIは国内6か所で行った試験栽培で有効な結果を得たという。バングラデシュは、年間860万トン(2013年)を生産する世界7位のジャガイモ生産国でもある。
今シーズンは増収・品質アップ
モンサントの除草剤耐性遺伝子組み換え品種の収穫悪化と低品質により、今シーズンから従来品種の綿に全面的に切り替えた、西アフリカのブルキナファソでは、品質が戻り、昨シーズンより25%の増収との見込みを農業相が語ったという。
1年で100万人の署名が必要
EU委員会は1月10日、グリホサートの禁止、農薬登録手続きの改革、EUにおける農薬使用削減目標の設定を加盟国に提案するよう求める市民発議(ECI)の登録受理を発表した。1月25日から12ヶ月以内に100万人を目標とした署名運動が始まるという。有効署名が集まった場合、欧州議会での公聴会などを経て、EU委員会は何らかの措置を迫られ、昨年のグリホサート登録延長の反対運動が新たな段階へ入ることになる。
欧州食品安全機関(EFSA)は昨年12月9日、グリホサートの試験データを公開を求めていた欧州議会議員などに「シェア」したと発表した。しかし「開示」を受けたNGOの欧州企業監視所(CEO)は、企業機密保護への懸念から、そのデータは「編集された」ものだったと指摘している。EFSAは昨年9月末、データの「開示」を予告していた。
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