英国の冷凍食品小売最大手のアイスランド社は1月16日、2023年までに全ての自社製品の包装からプラスチックを排除し、プラスチック・フリーにすると発表した。同社のプレスリリースによれば、同社はすでに使い捨てのプラスチック・ストローをやめており、2018年の新しい製品から紙トレイに変更するとしている。今後の製品の包装は、紙ベースのリサイクル可能なものに順次変更していくという。
アイスランド社幹部のリチャード・ウォーカーは「世界はプラスチックの災難に気が付いた。毎分トラック1台分が海に捨てられ、海洋環境に言い表せない被害を引き起こしている」「プラスチック包装の汚染と廃棄物に主要に関わるものとして、意味のある変化をもたらす責任が小売業者にはある。業界として責任を負うべきだ」「不用な廃棄物を生み出し環境にダメージを与える過剰包装には、本当に言い訳できない。より環境に有害でない選択肢となる技術がある」と、反省をこめてコメントしている。
アイスランド社はまた、この決定についてグリーンピースの専門家と定期的に協議したとしている。
東京新聞によれば、同社は約千四百種類の自社ブランド商品向けに新しい再生可能な包装材を開発する。同社の英国での販売シェアは2%程度としている。
アイスランド社は英国で900店舗を展開し、世界40か国で事業を展開しているという。同社はまた、自社製品から遺伝子組み換え(GM)、人工着色料・香料、不必要な防腐剤を排除しているとしている。
・ICELAND, 2018-1-16 ・Guardian, 2018-1-16 ・東京新聞, 2018-1-17グリーンピース・英国は1月17日、全てのスーパーマーケットがアイスランドに続くよう求める声明を出した。声明では、個人としてマイ・バッグやマイ・カップを持参することもできるが、英国でプラスチック包装に年間100万トンを費やすスーパーマーケットにできることがある、と削減に踏み出すよう求めている。
・Greenpeace UK, 2018-1-17英国ではプラスチックのわずか3分の1がリサイクルされるだけで、残りは埋立や焼却処分されているという。廃棄プラスチックの削減に取り組んでいる英国は、今月からマイクロビーズを使った製品の製造を禁止している。EU委員会も16日、2030年までに全てのプラスチックをリサイクルする廃プラゼロ戦略を発表している。
日本でもレジ袋の有料化が始まっているが、それでなくともマイ・バッグを持っていくことでプラスチック製レジ袋の削減に寄与できる。携帯ポットに水を入れて持ち歩くことで、ペットボトルを使わないですむ。国としての施策を待つ以前に、先ず、個人としてできる小さなことから始めればよい。
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