最終更新日:2018年1月20日
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■カメムシは「あっという間に」殺虫剤抵抗性を獲得する
ホソヘリカメムシ / urasimaru / Flickr
産業技術総合研究所(産総研)は1月18日、斑点米カメムシの一種ホソヘリカメムシが殺虫剤を分解する土壌細菌バークホルデリアを共生細菌として獲得すると、2回の散布でも「あっという間に」殺虫剤抵抗性を獲得するという研究結果を発表した。
土壌細菌バークホルデリアのなかには、有機リン系殺虫剤フェニトロチオン(MEP)を分解できる細菌がある。ホソヘリカメムシがこのバークホルデリアに感染しすると、MEP抵抗性を獲得するというもの。わずか2回のMEP散布で、分解細菌が増え、感染したカメムシもMEPに抵抗性を持つという結果が得られたという。産総研は、共生細菌を介して従来考えられていたよりも急速に殺虫剤抵抗性を獲得するとしている。
実際に年数回MEPが使われていた南西諸島のサトウキビ圃場でも、サトウキビの重要害虫のカンシャコバネナガカメムシで、殺虫剤分解細菌の密度が高いほど、細菌に感染したカメムシが多い傾向が確認されたとしている。そして、「土壌中の殺虫剤分解菌の密度が増えれば、共生細菌による害虫の急速な殺虫剤抵抗性化が起こりうると考えられる」としている。
・産総研, 2018-1-18この研究結果は、結局、新しい農薬と抵抗性害虫の登場というイタチゴッコが終わることなく続くことを示している。このことは、抗生物質の過剰使用と耐性菌の関係とよく似ている。進むべきは新しい農薬ではなく、有機農法や総合的病害虫管理(IPM:Integrated Pest Management)により害虫被害を抑制に向かうべきだ。環境に影響を与えず、生態系の持つ病害虫抑制に寄与する技術で、無用のイタチゴッコに終止符を打つことに力を入れることがより生産的で意味がある。
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