最終更新日:2018年2月28日
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■農研機構 今年度3種類のGMイネを試験栽培
刈り入れ間近のイネ
農研機構は2月27日、今年つくば市内の農研機構の隔離圃場で行なう3種類の遺伝子組み換えイネ(スギ花粉ペプチド含有イネ、スギ花粉ポリペプチド含有イネ、複合病害抵抗性イネ)の試験栽培について、説明会を3月20日に開催すると発表した。
試験栽培が計画されているイネは次の3種類で、いずれも野外栽培を目標に上げている。
・スギ花粉ペプチド含有イネ
スギ花粉アレルゲンに由来するペプチドの遺伝子を導入したもので、スギ花粉症の減感作療法に利用するという。今年、「野外栽培における生育特性等の調査及び加工プロセス開発や有効性・安全性調査のための種子の確保等を目的」として約30アールで栽培。
・スギ花粉ポリペプチド含有イネ
スギ花粉症患者のアナフィラキシーのリスクが低減した免疫寛容誘導剤としての利用が期待されるとしている。今年、「遺伝子組換えイネの野外栽培における生育特性等の調査及び加工プロセス開発や有効性・安全性調査のための種子の確保等を目的」として約4アールで栽培。
・複合病害抵抗性イネ
・農研機構, 2018-2-27
「野外栽培における生育特性、収量特性及び複合病害抵抗性を評価し、多数の系統から最も良好な形質のものを選抜するとともに生物多様性影響評価等のデータを収集するため」に水田と畑の計約8アールで8品種を栽培。
これらの遺伝子組み換えイネの屋外栽培が行なわれた場合、近隣のイネとの交雑が懸念される。普通のイネと交雑し、それが分からないまま出荷されれば、消費者は遺伝子組み換えの米とは知らずに食べてしまう事態が起こり得ないとは言い切れない。かつて花粉症緩和米は、トクホ(特定保健用食品)での商業化が計画され、交雑懸念のない離島での栽培が計画されているといわれていたほどだ。2004年、花粉症緩和米の屋外栽培が、神奈川県平塚市の全農の隔離圃場で実施されようとしたが、交雑を懸念する周辺の農家や消費者の反対で中止となっている。
スギ花粉症に関連する2種類の遺伝子組み換えイネは、摂取することでスギ花粉症を緩和するとされ、すでにヒトでの治験が始まっている。農研機構は昨年10月、東京慈恵会医科大学と大阪はびきの医療センターにこの花粉症緩和米を提供すると発表している。農研機構はこの花粉症緩和米を、20年度に医薬品として商品化を目指していると報じられているが、詳細は明らかにしていない。
・農研機構, 2017-10-13【関連記事】
No.858 GM花粉症緩和米 慈恵医大などで臨床研究
No.650 臨床研究が始まったGMスギ花粉症治療米 実用化できるのか
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