厚労省は1月30日、遺伝子組み換え微生物を使って生産したDSM社(オランダ)の添加物リボフラビンを、2月23日にはデュポンの高オレイン酸含有大豆3品種を承認した。これにより、承認された組み換え食品は318品種、添加物は31品目となる。ここ数年、遺伝子組み換え由来の添加物が増えている。
1月30日に承認された組み換え添加物のリボフラボンは、栄養強化・着色用として菓子類やスポーツ飲料など利用されるとしている。このリボフラボンを使用したとしても、製品への表示は不要とされている。
このリボフラボンン(製品名:リボフラビンユニバーサル)について、食品安全委員会は昨年12月26日、「ヒトの健康を損なうおそれはないと判断」とする評価書を決定していた。2010年ごろから欧米では承認されているとしている。厚労省は昨年、遺伝子組み換え微生物を使った高度精製品を含む添加物8品種を承認している。
・食品安全委員会, 2017-12-262月23日に承認された遺伝子組み換え大豆は、デュポンの遺伝子組み換え高オレイン酸含有大豆(DP−5423−1)をベースに、モンサントの除草剤グリホサート耐性GM大豆と除草剤ジカンバ耐性GM大豆を掛け合わせた合わせて3品種となる。これにより食品として承認されたGM大豆は28品種となる。米国でジカンバ耐性GM大豆の商業栽培が始まったことで、ジカンバの漂流性の高いことから周辺圃場での被害が続出し、一部の州では使用禁止となっている。
・厚労省, 2018-2-23現在、食品安全委員会では、2種類の遺伝子組み換え作物と、5品目の組み換え由来の添加物が食品安全委員会で審査されている。審査中のGM作物は、リマグレン(フランス)の除草剤グリホサート耐性トウモロコシと、インプランタイノベーションズと筑波大学の共同開発のミラクリン発現トマトだ。ミラクリン発現トマトは、加工残渣の飼料利用の健康影響も審査されている。
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