最終更新日:2018年6月8日
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■除草剤2,4−Dの残留基準値を緩和へ
US-Wheatfield.jpg / Flickr
小麦畑(米国オレゴン州) / Flickr

 5月9日開催の厚労省の残留農薬基準値を審議する農薬・動物用医薬品部会で、除草剤2,4−Dの残留基準値の緩和案が審議された。公表された改定案によれば、一部で厳しくなる食品もあるが、小麦、大麦、じゃがいも、レモンなどが緩和される。そのほとんどが米国基準や国際基準に横並びにとなっているが、国際基準より米国基準がより緩い場合は米国基準に合わせている。この案で改訂が行われると思われる。

 ・厚労省, 2018-6-7
 除草剤2,4−D残留基準値の主な改定案  [ppm]
食品名 現 行 改定案 備 考
小麦 0.5 2 国際基準
大麦 0.5 2 米国基準
ライ麦 0.5 2 国際基準
その他穀類 0.5 2 米国基準
ばれいしょ 0.2 0.4 米国基準
さとうきび 0.05 0.1 国内申請
レモン 2 3 米国基準
りんご 0.01 0.05 米国基準
西洋なし 0.01 0.05 米国基準
綿実 0.05 0.08 輸入申請・米国基準
いちご 0.05 0.1 国際基準
ホップ 0.08 0.2 米国基準
玄米 1 0.05
大豆 0.05 0.01 国際基準
夏みかん全体 2 1 国際基準
オレンジ 2 1 国際基準
ライム 2 1 国際基準
もも 0.2 0.05 米国基準
ぶどう 0.5 0.1 国際基準

 2,4−Dの食品健康影響評価は、食品安全委員会が2017年5月、一日摂取許容量(ADI)を0.0099mg/Kg体重/日に、急性参照用量(ARfD)を0.15mg/Kg体重としていた。

 ・食品安全委員会, 2017-5-16

 今回の改定案を元に推定した長期曝露評価では、平均的な一日に食べる食品から摂取する農薬量である推定一日摂取量(EDI)が、一日摂取許容量(ADI)に対してどの程度かを比較した計算値では、1歳から6歳の子どもが27%と一番高くなっている(13ページ)。一定の安全率を取っているとはいえ、もし影響があるとすると、子どもに最も影響が出る可能性があるということになる。

区  分 EDI/ADI [%]
全体(1歳以上) 10.0
幼小児(1〜6歳) 27.1
妊婦 12.3
高齢者(65歳以上) 8.9

 しかし、一般的な食品について、2,4−Dがどの程度残留しているかははっきりしない。流通している食品の残留データは、農水省、厚労省の公表している残留農薬のデータには見当たらない。一方、輸入時の残留農薬のデータは、検査結果により残留基準値をオーバーしたものだけを厚労省が公表している。それによると、昨年度は27件が2,4−Dの残留基準値を超えている。その9割強25件がカカオ豆で、ほかには粉末ココアとコーヒー豆が各1件だけである。

 ・厚労省

 厚労省は昨年12月、グリホサートの残留基準値を大幅に緩和しているが、こちらも米国基準や国際基準に一致させることで、大きく緩和された食品も少なくない。一例を挙げると、5ppmの小麦が30ppmへ、0.2ppmのそばが30ppmなど穀類の緩和が目立っている。

 グリホサートの残留基準値緩和でも行われた国際基準への横並びは、TPP、日米FTA、日欧EPAなどの貿易自由化とは無関係ではなく、その先取りともいえるだろう。

 除草剤2,4−Dは、ベトナム戦争で枯葉剤としても使用された。モンサントが開発したラウンドアップ耐性遺伝子組み換え作物が広く栽培された結果、ラウンドアップが効かないスーパー雑草が蔓延し大きな問題となっている。それに代わる除草剤として2,4−D耐性GM作物が開発され、日本でも承認されている。

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