最終更新日:2018年6月11日
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2018.06.11 No.931
■農水省 新たにGM作物を承認
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トマトの花

 農水省は6月8日、カルタヘナ法にもとづき、新たにモンサントなどの遺伝子組み換えのダイズとトウモロコシ3品種について栽培などを承認した。併せて、ミラクリン産生遺伝子組み換えトマトと遺伝子組み換え青紫色コチョウランの隔離圃場での試験栽培を承認した。

 屋外での規制なしの栽培などを承認した遺伝子組み換え作物は次の3品種で、いずれも食品としての確認が済んでいるという。今回の承認により、屋外栽培が可能な遺伝子組み換え作物は126品種(花卉を除く)となる。

  • 複合除草剤(ジカンバ、グリホサート、グルホシネート)耐性ダイズ(モンサント)
  • 高オレイン酸含有・複合除草(アセト乳酸合成酵素阻害剤、グリホサート及びジカンバ)剤耐性ダイズ(デュポン)
  • 除草剤グリホサート、グルホシネート耐性トウモロコシ(シンジェンタ)

 隔離圃場での試験栽培の承認は次の2種類。

  • ミラクリン産生トマト(筑波大学ほか)
  • コチョウラン 青紫色ファレノプシス(筑波大学ほか)

 ・農水省, 2018-6-8

 筑波大学などが申請したミラクリン産生遺伝子組み換えトマトは、特区制度による承認プロセスの簡素化を狙っている。この遺伝子組み換えトマトは、西アフリカ原産のミラクルフルーツに含まれる酸味を甘味に感じさせるミラクリンを、遺伝子組み換えトマトで作り出すようにしたもので、ミラクルフルーツ由来の遺伝子とともに、マーカー遺伝子に抗生物質耐性遺伝子を組み込んだとしている。筑波大学の隔離圃場で試験栽培を、2020年3月まで予定としている。このミラクリン産生トマトのプロジェクトは、特区制度の中で展開され、現状でも問題の多い遺伝子組み換え作物・食品の承認プロセスへの影響が危惧される。

 この遺伝子組み換えトマトは昨年12月、食品安全委員会に食品健康影響評価が諮問され、遺伝子組み換え専門調査会で審査されている。食品安全委員会に提出された厚労省の「ミラクリン発現トマト TU-IPI05B-1に係る食品健康影響評価について」では、「粉末加工品の形態で酸味を甘味に誘導する甘味誘導の補助的食品としての利用が想定されている」としている。

 また筑波大学の「新規に予定している隔離ほ場試験について」では、栽培試験は筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センターの隔離圃場で行うとしている。その上で、実際の栽培は温室(第2種)で行い、同区域内の加工施設において収穫した果実を処理して乾燥粉末にするとしている。この遺伝子組み換えトマト粉末について筑波大学は、「糖分の摂取を減らすことが出来る低カロリー代替甘味料などの食品素材として利用する予定」ともしている。現状では、生鮮トマトしての流通は想定していないようではある。

 ・厚労省, 2017-12  ・筑波大学, 2017-11-28
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