米国食品医薬品局(FDA)は1月9日、中国・華中農業大学(湖北省武漢市)が開発し申請した害虫抵抗性の遺伝子組み換えイネ「華恢1号」を承認した。米国環境保護庁(EPA)の承認も得たという。この遺伝子組み換えイネは、2006年以来たびたび見つかって問題となっている、日本では未承認のBt63と同じもののようだ。
ブラジル特許庁はこのほど、モンサントの遺伝子組み換え大豆Intactaの特許を無効と判断したという。特許無効を求めて提訴している生産者側は歓迎する一方、モンサントは反発しているという。
産業技術総合研究所(産総研)は1月18日、斑点米カメムシの一種ホソヘリカメムシが殺虫剤を分解する土壌細菌バークホルデリアを共生細菌として獲得すると、2回の散布でも「あっという間に」殺虫剤抵抗性を獲得するという研究結果を発表した。
EU委員会が廃プラ・ゼロ戦略を発表し、英国でマイクロビーズ禁止やスーパーのプラスチックトレイ全廃宣言など廃棄プラスチックによる環境汚染への対応表明が続いているが、米国コカ・コーラ社は1月19日、2030年までに全世界で出荷した容器(ボトル・缶)全量を回収しリサイクルすると発表した。廃プラによる環境汚染はメーカーに責任があると明確に認めている。
英国の冷凍食品小売最大手のアイスランド社は1月16日、2023年までに全ての自社製品の包装からプラスチックを排除し、プラスチック・フリーにすると発表した。同社のプレスリリースによれば、同社はすでに使い捨てのプラスチック・ストローをやめており、2018年の新しい製品から紙トレイに変更するとしている。今後の製品の包装は、紙ベースのリサイクル可能なものに順次変更していくという。
農水省は1月17日、6種類の農薬を新規に登録した。その一つの住友化学のハコナイト粒剤は、ネオニコ系のクロチアニジンと浸透移行性のフィプロニルに、いもち病抵抗性のイソチアニルを加えた複合剤である。日産化学のフィプロニル剤も新規に登録された。どちらも適用作物が稲(箱育苗)となっている。グリホサートも2種類が新規に登録された。
オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は昨年12月20日、国際稲研究所(IRRI)の遺伝子組み換えゴールデンライス(GR2E)について、食品としての承認を発表した。国際稲研究所は昨年春、FSANZのほかフィリピンと米国、カナダにも食品としての承認申請を行っているが、いずれの当局もまだ承認していない。
EU委員会は1月16日、2030年までに廃棄プラスチックを段階的にゼロとする意欲的な廃棄全廃戦略を発表した。段階的に廃棄するプラスチックを減らしていき、2030年には全てをリサイクル可能なものにするというもの。マイクロプラスチックの意図的な使用も制限されるとしている。つい先ごろには、英国がマイクロビーズを使った製品を禁止したばかり。世界的にも、プラスチック廃棄物を減らす動きが進んでいる。
オーストラリアとニュージーランドでホームセンターを展開するバニングスはこのほど、ネオニコ系農薬の販売中止を求めるウェブ署名が始まったことを受けて、2018年内に段階的に販売をやめる決定を行なったという。バニングスは公式に発表していない。販売を中止する農薬には、園芸用品メーカーであるイェーツ社の家庭用イミダクロプリド殺虫剤バイエル・コンファイダーがあげられている。
ドイツのキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)の予備的な連立交渉は1月12日、主要政策で合意し、農業分野では遺伝子組み換え作物のドイツ全国での栽培禁止と、グリホサートの出来るだけ早い時期の禁止で合意したとロイターが報じた。
英国では1月、化粧品や歯磨き剤、石けんなどのパーソナルケア用品(衛生日用品)にマイクロビーズを使用した製品の製造を禁止する法律が発効した。7月からはマイクロビーズを含む製品の販売も禁止される。環境・食料・農村地域省は1月9日、「マイクロビーズを含む製品の製造禁止は、世界で最も厳しく画期的なステップ」とする声明を発表した。英国の規制では、5mm以下のプラスチック粒子をマイクロビーズとして定義している。
遺伝子組み換え作物や食品の承認が続いているが、2017年1月から12月の1年間に承認された遺伝子組み換え食品は6品種、遺伝子組み換え微生物を使った添加物は4品種、高度精製品4品種、カルタヘナ法によるGM作物13品種、GM飼料は3品種であり、延べ30品種となる。
米国カリフォルニア大学のイノベーション・ゲノミクス研究所は1月2日、米国のチョコレートメーカーのマーズと共同で、ゲノム編集技術を使った耐病性カカオの開発を計画している発表した。同研究所はプレスリリースで、CRISPR技術を使って開発するとしているが、スケジュールは明らかにしていない。カカオ産業には世界で4千万人が依存しているとしている。
米国メイン州ポートランド市議会は1月3日、一部のゴルフ場を除き住民と市による合成農薬の使用を包括的に禁止する罰則付きの条例を全会一致で可決した。これにより、除草剤のラウンドアップ(グリホサート)やネオニコチノイド系殺虫剤の使用が原則禁止されることになる。この条例は2年余りの市民の運動の成果。条例案は前書きで、農薬が人の健康に脅威となるばかりか生態系への脅威ともなると指摘している。
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