厚労省は7月30日、ダコニス(米国)の遺伝子組み換え微生物を使ったGM添加物を承認した。承認されたαーアミラーゼは、耐熱性のあるデンプン分解酵素でビールやシロップの製造で効率向上を目的に使用されるという。今年に入って4回目となり、合計5品目が承認された。現在、さらに6品目の遺伝子組み換え添加物が審査中であり、今年中に10品目を超えるかも知れない。
NON−GMトウモロコシの分別生産流通管理(IPハンドリング)に取り組んできた生協ネットワーク21、グリーンコープ共同体、生活クラブ連合会は7月23日、連名で「すべての遺伝子組み換え食品を義務表示の対象に」するよう求める意見書を、内閣府担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会表示部会長にあてて提出した。意見書は、今年3月にまとめられた遺伝子組み換え食品表示検討会の報告書について、「遺伝子組み換え食品を避けたいと考える消費者にとって選択の機会が奪われる結果を招きかねない」と懸念を表明している。
欧州司法裁判所は7月25日、ゲノム編集技術を使い遺伝子操作した新品種はEUのGMO規則の適用を受けるとする司法判断を下した。従来の遺伝子組み換え作物と同様の環境アセスメントとトレーサビリティ、表示が必要となるという。2016年にフランスの農民団体は、ゲノム編集などの新育種技術で作出された品種が遺伝子組み換えに該当するかについてフランス政府の判断を求め、これを受けてフランス政府が欧州司法裁判所の判断を求めていた。ゲノム編集を遺伝子組み換えとして扱うよう求めてきた農業団体や環境NGOは「勝利」だとして歓迎している。
環境省は7月11日、中央環境審議会遺伝子組換え生物等専門委員会でゲノム編集に規制に関する議論を始めた。環境省の原案は、遺伝子を挿入するノックインは規制し、遺伝子の機能を失わせるノックアウトは規制しないというもの。環境省は7月30日、ゲノム編集技術等検討会を8月7日に開くと発表した。傍聴可能で8月3日までに申込み。
米国に拠点をおくネスレなどの多国籍食品企業4社は7月12日、Sustainable Food Policy Alliance(SFPA:持続可能な食品政策連携)を設立したとする共同声明を発表した。この新組織の設立には、ダノン(フランス)、ネスレ(スイス)、ユニリーバ(オランダ)の米国現地法人と米国のチョコレートメーカーのマースが参加した。4社は連携して、消費者の健康や食品、地域社会、地球に影響を与える公共政策の進展を促進に重点を置くとしている。
農水省は7月25日付で、バイエルのネオニコチノイド系イミダクロプリドとエチプロールの混合剤(商品名:アドマイヤープラスフロアブル)を農薬登録した。適用作物はかんきつ類のみ。今年1月には、ネオニコ系のクロチアニジンと浸透移行性のフィプロニル、いもち病抵抗性のイソチアニルの3種類の混合剤が新規に登録されている。
厚労省は7月20日、6月より一時輸入停止していたカナダ産小麦の輸入再開を発表した。さる6月、モンサントの未承認の除草剤ラウンドアップ耐性小麦(MON71200)の自生発見をカナダ食品検査庁が発表。日本政府は、6月15日からカナダ産小麦の輸入を一時停止していた。
7月20日の「土用の丑」に向けてスーパーのチラシにはウナギが並んでいる。ネット通販大手のアマゾンやヨドバシカメラまでもが販売している。そんなウナギは、ジャイアントパンダより絶滅が危惧されている程に生息数が激減しているという。
カナダで自生していたモンサントの除草剤耐性遺伝子組み換え小麦(MON71200) について、厚労省は7月9日に検査法を発表し、10日より国内の留め置きされている約10万トンの検査を始めた。これを受けて、農水省は混入が見つからなければ輸入を再開するという。日本農業新聞が報じた。
齋藤農水大臣は7月6日の会見で、EUが屋外使用禁止を決めたネオニコチノイド系3農薬(クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム)の再評価を優先的の行うことにしていると語った。優先的な再評価はEUが屋外使用を禁止する3種類に限定したものであり、優先再評価がEUのような規制につながるかは不明だ。
東洋紡は7月9日、遺伝子組み換え酵母を含む液体74リットルを、7日夜から8日未明にかけて同社敦賀事業所から海に流出させたと発表した。環境への影響はないとしている。製造工程の配管が外れたことが原因だとしている。
スターバックスは7月9日、同社の全世界2万8千店舗で、2020年までに使い捨てストローを廃止すると発表した。これにより年間10億本のストローを排除できるとしている。新たに開発したリサイクル可能なプラスチックを使ったストロー・レスの蓋は、すでに北米の8千店舗で導入され、日本や中国などでも一部の飲料で試験的に提供しているとしている。
厚労省は7月9日、バイエルの除草剤グリホサートとテフリルトリオンに耐性のある遺伝子組み換えワタ・GHB811を食品として承認し官報に掲載した。承認された遺伝子組み換え食品は319品種、ワタは46品種になる。
米国スーパー大手のクローガーは6月25日、ミツバチなど花粉媒介動物(ポリネーター)へのリスクを考慮し、2020年までに園芸植物のネオニコチノイド系農薬を段階的に排除するとの方針を発表した。納入業者と協力して積極的に代替策を検討しているという。すでに大半がネオニコチノイド系農薬不使用だとしている。
食品安全委員会は7月5日、シンプロット(米国)の疫病抵抗性遺伝子組み換えジャガイモ(SPS−OOOY9−7)について、10日の委員会において厚労省から説明を受けると予定を公表した。このGMジャガイモは疫病抵抗性のほか、高温での加熱処理の際に生成されるアクリルアミドの低減と収穫時の打撃によって生ずる黒斑も少なくできるというジャガイモだという。
厚労省は7月2日、ノボザイムズ(デンマーク)の遺伝子組み換え(GM)微生物を使った加工用添加物を承認した。デンプン糖製造において糖化効率の向上を目的として使用される添加物だという。これまでに承認されたGM添加物は34品種となる。こうした原料加工において使われたとしても、現状の表示制度では消費者には全く分からない。
数ミリから数十ミクロンのマイクロプラスチックが、プランクトンや魚介類を通して人の食にも入り込んできていることが明らかになってきて、使い捨てプラスチックへの対応が待ったなしになってきている。米国シアトル市は10年の経過期間を経て、この7月1日から使い捨てのストローや食器などの原則使用禁止の条例を施行した。対象は市内全域の5千軒の飲食店だという。原則として生分解性かリサイクル可能な製品以外は禁止されるという。
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