最終更新日:2019年8月7日
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2019.08.07 No.994
■ネオニコの胎児への移行を初めて確認 安全性再検討が必要と指摘

 獨協医科大学・市川剛医師らの研究グループは7月1日、ネオニコチノイド系農薬が胎児に移行する可能性を示唆した研究結果を専門誌(PLOS ONE)に発表した。出生直後の尿からネオニコ系のアセタミプリドの代謝物質を検出し、「アセタミプリドの有毒な代謝産物であるDMAPが、胎児に高率で移動する可能性があることを示唆した世界初の報告」だという。そして「ネオニコチノイドおよび代謝物の神経発達毒性の可能性を検討する必要があることを示している」としている。

 この研究は、在胎週数23から34週の極低出生体重児の生後48時間の尿のネオニコチノイド成分を分析したもので、合わせて生後14日目の尿も分析している。アセタミプリドのの有毒な代謝産物であるDMAPが生後48時間以内の尿から高率に検出され、その濃度は生後14日に有意な上昇が見られなかったことから、「DMAPは胎盤を通過し、胎児に蓄積されたと考えられる」としている。また、母体のアセタミプリドの継続的な摂取は、母体の血液中のDMAP濃度を上昇させ、胎児のDMAP暴露を促進すると考えられるとしている。

 研究グループは、未熟児がネオニコチノイドに曝露されているということは、少なくともそれより長い時間を胎内で過ごす満期新生児も同等以上の曝露を受けていることを示唆する、と指摘している。その上で、いくつかの動物実験でアセタミプリドが神経発達に悪影響を与えることが報告されていると指摘し、「胎児および新生児期は神経発達に非常に重要な時期であり、子宮内で胎児に移行、蓄積するという観点から、アセタミプリドの安全性について再検討が必要である」としている。

 ・PLOS ONE, 2019-7-1

 研究グループは「胎児および新生児期は神経発達に非常に重要な時期」と指摘しているが、現時点で明確な毒性がないとしても、予防原則に立って、少なくとも安全性が明確になるまでの間、禁止を含む規制を強化すべきだ。問題が顕在化してからの規制強化では手遅れだ。

 国際産婦人科連合(FIGO)は先ごろ、「健康に対する化学物質曝露の影響を裏付ける証拠があります。化学物質は胎盤を通過する可能性があり、メチル水銀の場合と同様に、胎児に蓄積する可能性があり、長期的な後遺症を引き起こす可能性があります」として、予防原則に立ってグリホサートを禁止するよう求める勧告を発表している。

 相次いでいる最も脆弱な胎児への影響を懸念する研究や禁止を求める勧告を、深刻に受け止めるべきではないか。水俣病の昔から、ないがしろにされ、忌み嫌われているかにもみえる「予防原則」を生きたものにする必要がある。

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