最終更新日:2019年12月1日
2019年
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 16年
 17年 18年 19年

2019年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031
最近の記事
2022.12.29 No.1152
2022.12.25 No.1151
2022.11.30 No.1150
2019年12月の記事
2019.12.10 No.1026
2019.12.03 No.1025
2019.12.02 No.1024
2019.12.01 No.1023
2019年11月の記事
2019.11.28 No.1022
2019.11.01 No.1021
2019年12月

2019.12.01 No.1023
■農水省 有機認証からゲノム編集除外で意見公募
organic_tomato.jpg
トマトもゲノム編集作物として登場が近そうだが、有機栽培のトマトとは相容れない。

 農水省は11月8日、有機JASにおいてゲノム編集由来のものを使用できないよう明確する改正を行うとして、意見公募を始めた。締切りは12月7日。これまでの遺伝子組み換え技術の禁止に加え、ゲノム編集禁止は当然のことであり、有機認証にもゲノム編集を容認するという最悪の状況は避けられる可能性が出てきた。多くの人の意見が必要だ。

 ・農林水産省, 2019-11-8

 しかしながら農水省は、ゲノム編集については数塩基程度の変異を誘発させる(SDN−2)までを、遺伝子組み換えではないとして無規制としている。また、遺伝子組み換えでないとする範囲のゲノム編集技術による動植物は、罰則のない届出とした。専門家の確認を経て届出を受理した場合に限り、農水省のHPに掲載するとしている。

 農水省は今回、「ゲノム編集技術を用いて生産されたものについても、原材料等において使用できないことを明確にする」とは述べているが、どこまで本気なのか。文書改ざんや隠蔽を平気で行う今の行政府の状況からは、最終的な決着まで気を抜くのはよくないだろう。

 10月からスタートしたゲノム編集作物規制では、ゲノム編集を使い、遺伝子を人為的に切断したのち自然修復での変異を期待するSDN−1や、数塩基程度の変異を誘発させるSDN−2は、「従来育種と同じ」だと強弁し、栽培規制は盛り込まれていない。全くのザルである。農家が知らずしてゲノム編集された品種を栽培する可能性は愛とはいえない。有機認証農産物にゲノム編集農産物が混入しない枠組みが不可欠であるが、現行の制度で果たして十分なのか。結局、ゲノム編集品種が知らずして「混入」した場合、農家が責任を取らされることになるのではないか。

 EUは欧州司法裁判所の決定により、全てのゲノム編集は遺伝子組み換えとして扱うことになっている。SDN−2の解釈によっては、日本の有機認証製品はEUから拒否される可能性は拭えない。

 ・農水省  ・厚労省
【関連記事】
カテゴリー
よく読まれている記事