最終更新日:2019年7月28日
2019年
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 16年
 17年 18年 19年

2019年7月
123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031
2019年7月の記事
2019.07.28 No.991
2019.07.23 No.990
2019.07.23 No.989
2019.07.21 No.988
2019.07.20 No.987
2019.07.18 No.986
2019.07.15 No.985
2019.07.13 No.984
2019.07.11 No.983
2019.07.05 No.982
2019年6月の記事
2019.06.16 No.981
2019.06.08 No.980
2019年5月の記事
2019.05.14 No.979
2019.05.09 No.978
2019年7月

2019.07.28 No.991
■農薬の劇的削減を求める欧州市民発議
save_bee_german_2019.jpg / Flickr
「ハチを守れ!」(2019年2月 バイエルン州ネルトリンゲン) / zuse24 / Flickr

 欧州委員会は5月15日、EU域内の農薬使用を減少させ生物多様性の促進を求める市民発議「ハチを救え!」を登録したと発表した。この市民発議は、減少するミツバチなど救うために、生物多様性の促進をEUの共通農業政策(CAP)の最重要課題として位置づけ、EUでの農薬使用量の劇的な削減、例外なく危険な農薬の禁止、承認基準の改革などを求めている。


■欧州議会 農薬などリスク評価の透明性確保の法案を可決 申請データが基本公開に
european_parliament_2019.jpg / Flickr
欧州議会 / European Parliament / Flickr

 欧州議会は4月17日、農薬などのリスク評価の透明性を高める新たな法律改正案を賛成603、反対17、棄権27という圧倒的多数で可決した。通過した改正案は閣僚理事会の承認を待って発効する。この改正案は、140万人が署名した2017年のグリホサート禁止も求める法的拘束力のあるEU市民発議のを受けたもので、グリホサートの禁止はならなかったものの、欧州委員会はリスク評価の改善を約束していた。


■欧州司法裁判所 グリホサートのリスク関連文書公開を命ずる
CJE.jpg / Flickr
欧州司法裁判所(ルクセンブルク) / Transparency International EU Office / Flickr

 欧州司法裁判所は3月7日、欧州食品安全機関(EFSA)はグリホサートの健康リスクに関する全ての文書を公開しなければならないと判決を下した。裁判所は、環境への化学物質の放出に関する情報への公衆のアクセスは企業の商業的利益の保護に優先することを明確にし、EFSAが開示しないことはEUの透明性原則に反するとした。この裁判は、欧州緑グループ・欧州自由連盟(Greens/EFA)所属の欧州議会議員が2017年5月に訴えていたもの。


2019.07.23 No.990
■マレーシアの市民団体・NGO GMイネの屋外試験栽培に反対を表明
Rice_blast.jpg / Flickr
いもち病にかかったイネ / IRRI Photos / Flickr

 ペナン消費者協会などマレーシアの54の市民団体やNGOは7月22日、マレーシア農業研究開発研究所(MARDI)が開発したグリホサート耐性で、いもち病・白葉枯病抵抗性の遺伝子組み換えイネMR219の屋外試験栽培に反対する声明を発表した。この遺伝子組み換えイネには、日本の農研機構が「発見」し、昨年もつくば市の屋外隔離圃場で試験栽培を行っている遺伝子組み換え複合病害抵抗性イネ(WRKY45遺伝子発現イネ)と同じ発現因子が組み込まれているようだ。


2019.07.23 No.989
■環境レベルのネオニコがトンボ類の減少に中心的な役割 オランダの研究
Itotonbo_male.jpg / Wikimedia
イトトンボ(オス) / Charles J Sharp / Wikimedia

 オランダ・ライデン大学の研究グループは7月2日、屋外実験によって環境中のネオニコチノイド系農薬のチアクロプリドがイトトンボ類を減少させるという研究結果を専門誌に発表した。ネオニコチノイド系農薬の影響は、受粉を媒介するミツバチなどばかりでなく、今回の研究のようにトンボや他の昆虫にも及んでいる。研究グループは、害虫駆除に使われ環境中に残留したネオニコチノイド系農薬が、自然が備えている害虫駆除システムに悪い影響を及ぼしている可能性があると指摘している。


2019.07.21 No.988
■オーストリア国民議会 EU初のグリホサート全面禁止法案を可決
glyphosate_spray.jpg / Flickr
グリホサートを散布する / Chafer Machinery / Flickr

 オーストリア国民議会は7月2日、グリホサートの使用を全面的に禁止する法案を可決した。連邦各州の議会により選出された連邦議会(上院)が異議を唱えなければ、アレクサンダー・ファン・デア・ベレン大統領(緑の党)の署名で成立する。成立すれば、2020年1月1日より発効し、EUでは初の全面的な禁止となる。


■ドイツ農業相 EUのグリホサート登録は22年まで
stop_glyphosate-4.jpg / Flickr
「STOP GLYPHOSATE」のプラカードを持つドイツ市民=2017年11月 / campact / Flickr

 ドイツ連邦政府のクレックナー食料・農業大臣は新聞のインタビューに答えて、EUにおけるグリホサートの登録は22年まで続くと語った、とブルームバーグが伝えた。さらに、グリホサート禁止を議決したオーストリアに続くべきではないと付け加えたという。クレックナー食料・農業大臣(キリスト教民主同盟)は、グリホサートの登録について22年以降の再登録は加盟国の支持が得られないだろうとし、ドイツでは、グリホサートに替わる安全な代替策を検討しているという。


2019.07.20 No.987
■地下水のネオニコ調査 市民協力者を募集
groundwater_survey_abt.jpg
(左)パッシブサンプラー (右)湧水が流出するパイプ中にサンプラーをひもで吊るした状態(提供:アクト・ビヨンド・トラスト)

 アクト・ビヨンド・トラスト(abt)はこのほど、地下水のネオニコチノイド系農薬汚染について全国的な調査を実施するに当たって市民協力者の募集を始めた。特別な知識や技術は必要なく、費用もアクト・ビヨンド・トラストが負担するという。調査対象の農薬は、イミダクロプリドなどネオニコチノイド系の7種類とフィプロニルなど。募集締め切りは7月31日。申込書に必要事項を記載のうえメール添付で送付する。調査結果は、2019年末に公表するとしている。


■ドイツ・バイエルン州議会 175万人が署名のミツバチ保護法を可決 有機農地の拡大や河川汚染規制を強化
honeybee_hive.jpg / Flickr
ミツバチ / Rachael Bonoan / Flickr

 ドイツ・バイエルン州議会は7月17日、「ミツバチ保護法」を可決した。この州法は、ミツバチなどの保護を求めて市民団体が住民投票を求める請願署名の運動を初め、2か月でを175万人が署名。これを受けてバイエルン州政府は4月、住民投票にかけることなく、請願の案文通りの法案を議会に提出すると発表していた。


■相次ぐ生物多様性の減少と食料システム崩壊への警告
vegi_market.jpg / Flickr
受粉できなければ多くの野菜が食べられなくなる / Jung Moon / Flickr

 このところ、生物多様性や昆虫の減少に警鐘を鳴らす報告書や研究結果が立て続けに発表されている。集約的な農業、農薬による汚染、都市化などの要因が指摘され、多様性が崩壊することにより、食料生産のみならず生活環境などの悪化を警告するものとなっている。


2019.07.18 No.986
■米国GM小麦自生 農水省 米国産小麦輸入停止せず
140619_organic-wheat-4.jpg

 農水省は7月17日、6月に米国で見つかった遺伝子組み換え小麦について、輸入停止しないと発表した。農水省はQ&Aで、船積み時のサンプルで検査し、組み換えタンパク質(CP4-EPSPS)が検出された場合は、該当ロットの輸入と販売を行わないとしている。これまではその都度、一部の米国産小麦について、一時的な輸入停止を実施していた。


2019.07.15 No.985
■ネオニコ:チアクロプリドの残留基準値案 国際基準と比べ高め
151202_Komatuna.jpg
小松菜

 厚労省は6月30日、ネオニコチノイド系農薬の一つチアクロプリドの残留基準値について意見公募を始めた。示された残留基準値は、新たに小麦と小松菜に基準値が設定されたほか、多くの野菜類の基準値が下げられた。茶は30ppmが25ppmに引き下げられたがまだ高い。一方で、牛・豚肉類が引き上げとなり、鶏肉が新設された。今回の見直しは、小松菜についての農薬適用申請を受けたもので、食品安全委員会は昨年10月、健康影響評価書を決定していた。意見公募の締切りは7月30日。


■米国小売大手クローガー ネオニコ排除と有機食品取扱いアップを公表
Kroger.jpg / Flickr
クローガーの店舗(米国・オハイオ州) / Nicholas Eckhart / Flickr

 米国小売大手のクローガーはこのほど、2020年までにガーデンセンターで取り扱う植物をネオニコチノイド不使用とすると発表した。併せて供給者が農薬使用をやめ代替的な病害虫管理を推奨するとしている。また、有機製品の取扱いや、自社ブランド製品において人工保存料不使用製品を増やしていくとしている。クローガーは昨年6月、今回と同様に、ミツバチなど花粉媒介動物(ポリネーター)へのリスクを考慮し、2020年までに取扱いの園芸植物のネオニコチノイド系農薬を段階的に排除するとの方針を発表していたが、今回、有機製品の取扱いの増加などを追加し、ネオニコチノイド系農薬不使用を再確認した形だ。


2019.07.13 No.984
■4度目の自生GM小麦は2種類のグリホサート耐性
140619_organic-wheat-4.jpg

 米国農務省動植物検疫局(APHIS)は7月12日、ワシントン州で見つかった遺伝子組み換え小麦について、モンサントが開発したいずれも除草剤グリホサート耐性のMON71300とMON71800であったと発表した。同局はまた、遺伝子組み換え小麦の商業栽培はなく、また食料供給チェーンに存在している証拠はないとしている。


■米国環境保護庁 スルホキサフロルの登録拡大を発表
bee_orange.jpg / Flickr
ミツバチとミカンの花 / Abby flat-coat / Flickr

 米国環境保護庁(EPA)は7月12日、スルホキサフロルの適用作物の拡大登録を発表した。米国では、スルホキサフロルは2015年の登録無効確認訴訟の判決により、一旦登録が取り消されたが、翌2016年、登録範囲を限定して再登録された。今回、2013年の最初の登録時の適用要件を復活させ、新たにアルファルファ、トウモロコシ、キビやオーツ麦などの穀類、ソルガム、テフ、パイナップル、カカオ、植林に適用作物が拡大された。2016年の制限も一部解除された。国際農薬行動ネットワーク・北米(PAN NA)は同日、農薬会社に追従している環境保護庁の姿勢を非難する声明を発表した。


2019.07.11 No.983
■米国の市民運動 ネオニコ系農薬12剤の登録取消を勝ち取る
bee_natane.jpg / Flickr
ミツバチとナタネ / Raquel e Ives / Flickr

 米国環境保護庁は5月20日、食品安全センター(Center for Food Safety)などとの訴訟の和解に基づき、バイエルとシンジェンタ、バレント・バイオサイエンス(米国の農薬メーカー)の12種類のチアメトキサムとクロチアニジンの登録を取消した。一部とはいえ、ネオニコチノイド系農薬の登録取消を勝ち取ったことは米国の市民運動、環境保護運動の成果だ。


■米国バーモント州 事業者にネオニコ使用を限定する州法を制定
honeybee-hive.jpg / Flickr
ミツバチの巣 / Martin LaBar / Flickr

 米国バーモント州議会は5月8日、ネオニコチノイド系農薬の使用を訓練を受けた事業者に限定する州法を可決し、5月28日には知事が署名し正式に発効した。この州法により2019年7月1日以降、個人使用が禁止されるという。


2019.07.05 No.982
■豪州:反ラウンドアップ争議に勝利 グリホサートは労働安全でも問題
Roundup_parc_NYC.jpg / Flickr
ラウンドアップを散布したニューヨークの公園(2016年) / William Avery Hudson / Flickr

 オーストラリア・ニューサウスウェールズ州ブラックタウン市の現業労働者はグリホサートの使用中止と代替品の使用を求め、7月3日からごみ収集と屋外メンテナンス作業のストライキに入っていたが、市当局が有機代替品の試行に同意した。世界的にも初めてとも思える反ラウンドアップ争議だが、まずは労働者側の勝利で結着した。公園などの公共エリアでのグリホサート除草剤の使用中止は、実際の作業に当たる労働者だけでなく、利用する市民の健康にもよい影響を与える。

カテゴリー
よく読まれている記事